专利摘要:
本発明は、高電圧スイッチングパワー増幅器と、高電圧スイッチング増幅器の出力部に結合された入力部を有する抽出フィルタと、容量性負荷と、抽出フィルタの出力部に結合された入力部とを有する静電スピーカ要素とを備える静電型スピーカシステムに関する。抽出フィルタと容量性負荷の組合せは、少なくとも第1のフィルタ段と第2のフィルタ段とを有するフィルタ回路を形成する。第1のフィルタ段は、共振周波数ω0及び品質係数Q>1/2を有するRLC回路を備え、低域フィルタである第2のフィルタ段は、RLC回路の共振周波数の信号成分を、抽出フィルタの出力部で減衰させる少なくとも1つの電気要素を備える。
公开号:JP2011505740A
申请号:JP2010535898
申请日:2007-11-29
公开日:2011-02-24
发明作者:ヘンク−アルベルト ハインス
申请人:ハインス イノベーションズ ビー.ブイ.Hiensch Innovations B.V.;
IPC主号:H04R19-02
专利说明:

[0001] 本発明は、静電型スピーカシステムに関し、より具体的には、パルス変調器と、パルス変調された信号(パルス変調信号)を増幅する高電圧スイッチング出力段及び増幅されたパルス変調高電圧信号を復調する抽出フィルタ(extraction filter)と、増幅されたパルス変調高電圧信号の高周波を減衰させるフィルタと、このフィルタの出力部に結合された静電型スピーカ要素とを備える静電型スピーカシステムに関する。]
背景技術

[0002] 静電型スピーカ要素は、静電原理を利用して音響信号を生成する。例えば、静電型スピーカ要素の最も一般的な実施形態は、固定板(stator)としても知られている2枚の多孔導電板を備え、さらに、これらの2枚の固定板間に配置され、固定板に対してその両側に小さな空隙を有する薄い導電振動板(diaphragm)を備える。続いて、所望の電界強度を達成するため、高DCバイアス電圧によって、導電振動板を、固定板に対して一定の電荷に維持する。固定板は、AC高電圧アナログ信号に接続され、逆相(counter phase)で駆動され、この構成は「プッシュプル(push pull)」構成とも呼ばれ、両固定板間に、比例した均一な静電界を生じさせ、この静電界は、帯電した振動板上に力を生じさせるのに十分な電界強度を生み出し、振動板を運動させ、続いて周囲の空気を運動させる。低インピーダンス装置であるエレクトロダイナミック型コーンスピーカとは対照的に、静電型スピーカは、高インピーダンス装置を表す容量性負荷を有する。]
[0003] 音響原始信号を再生するために、特定の機能をそれぞれが提供する複数の構成要素からなるモジュールシステムが必要となることがある。]
[0004] 静電型スピーカシステムとともに構成されたこのようなモジュールシステムは一般に、以下の構成要素からなる。すなわち
− 例えばCDプレーヤなどの音声再生装置。
− 例えばエレクトロダイナミック型コーンスピーカなどの低インピーダンス装置を駆動するために、音声信号に利得を与える音声パワー増幅器。
−高インピーダンス装置、すなわち静電型スピーカ要素の容量性負荷を駆動するのに必要なインピーダンス整合を実行する音声パワー変圧器であり、低AC電圧信号をAC高電圧アナログ信号に変換する音声パワー変圧器。
− 例えば帯電した振動板がそれに従う固定板間の交番電界を与える、音声パワー変圧器によって得たAC高電圧アナログ信号によって駆動される静電型スピーカ要素。]
[0005] 音声パワー変圧器の2次側が、静電型スピーカ要素に接続されている結果、前述の音声パワー増幅器に接続された変圧器の1次側の複素インピーダンスが、非常に低くなる可能性がある。したがって、この非常に低い複素インピーダンスのために、音声パワー増幅器が設計どおりの性能を示さないことがあり、その結果、歪みが増大し、不安定な摂動挙動の可能性が生じることがある。その結果、安定した非常に強力な音声増幅器が必要となることがある。]
[0006] 音声パワー変圧器の重要な役割は、動作音声帯域幅全体にわたって一定の変圧比を提供することである。パワー変圧器の2次層巻線及び接続された静電型スピーカ要素の容量性負荷に起因する、漏れインダクタンスと寄生容量の組合せは、周波数応答を否定的に規定する可能性があるLC低域フィルタを形成する。多様な特性のため、パワーハンドリング(power handling)は、音声パワー変圧器構成の別の制限因子である。その結果、これらの多様な特性間の妥協が必要となることは避けられないため、音声パワー変圧器の構造は重要である。さらに、構成静電型スピーカ要素及び音声パワー変圧器は、標準音声パワー増幅器に対して設計され、その結果、設計、構造及び最適化可能性の柔軟性が狭まる。続いて、音声パワー変圧器が、静電型スピーカ要素の駆動を可能にする方法において、物理的限界を有することは明らかである。]
[0007] 標準音声パワー増幅器及びパワー変圧器によって、静電型スピーカ要素を駆動するこれらの欠陥を克服するため、静電型スピーカ要素の容量性負荷をパワー変圧器を使用せずに直接に駆動することができる高電圧音声パワー増幅器を利用することができる。静電型スピーカ要素の容量性負荷を直接に駆動するように設計された高電圧音声パワー増幅器は、原則的に、標準音声パワー増幅器及びパワー変圧器によって静電型スピーカ要素を駆動するよりも良好である。高電圧音声パワー増幅器は、半導体技術又は熱電子管(真空管)技術を使用して構成することができる。]
[0008] 例えばバイポーラ接合トランジスタ(BJT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラ接合トランジスタ(IGBT)などの半導体ベースの多様な能動部品を直列に接続して、所望のAC高電圧出力信号を達成することができ、構成半導体の全体にわたってブリッジ電圧を均等に分割することができる。クラスA/B技術を使用して設計された高電圧音声パワー増幅器は、基本的な2つの欠陥、すなわちバイアス電流調整及び電力損を有する。クラスA/B技術を使用して交差歪みを低減させるためには、バイアス電流調整が必要となり、最適なバイアス電流調整は、クラスAセッティングにおいて達成される。交差歪みを低減させるためにバイアス電流を増大させると、それに応じて電力損が増大する。続いて、高電圧音声パワー増幅器の一実施形態では、結果として生じる重い電力要求のため、クラスAセッティングを達成することが困難である。さらに、静電型スピーカ要素の容量性負荷などの複雑な負荷を使用することによって、電力損及び不安定挙動の可能性はさらに増大する。したがって、この概念は最適ではなく、妥協しなくてはならない部分がでてくる。]
[0009] 高電圧音声パワー増幅器を構成する別の選択肢は、前述の熱電子管技術(真空管)の使用である。熱電子管技術の使用は一般に、前述の半導体技術に関する欠点に加えて、例えば老化に対する感度、比較的に低い信頼性などの欠点を有する。]
[0010] 前述のとおり、先行技術の多様な増幅技法は、容量性負荷の駆動能力に関して多くの点で共通している。すなわち、
−線形伝送を目指すためには、フィードバック及び高バイアス電流が必要である。
− 容量性負荷を使用することにより安定性が限定される。
− 非常に低いエネルギー効率。
− 容量性負荷の使用による電力損のさらなる増大。
− 温度、したがってパラメータシフトの高い分散。
−高エネルギー電源及び冷却手段による費用増。]
[0011] パルス変調増幅器とも呼ばれ、より具体的に例えばパルス幅変調増幅器又はクラスD増幅器とも呼ばれているスイッチング音声増幅器は、エネルギー効率及び相互関係にある課題に対して、例えば前述のエレクトロダイナミック型コーンスピーカなどの低インピーダンス装置を駆動することができる低電圧増幅概念に対する例外を形成する。スイッチング増幅器の概念は、90%以上の効率を達成することができ、これはこの原理に固有である。国際公開第00072627Al号パンフレットは、容量型変換器を駆動するスイッチング増幅器を開示している。]
先行技術

[0012] 国際公開第00072627A1号パンフレット]
発明が解決しようとする課題

[0013] 先行技術の配置に存在する上記の欠陥を考慮すれば、本発明の目的は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を直接に駆動することができる改良型の静電型スピーカシステムであって、音声再生において高い品質レベルを示す静電型スピーカシステムを提供することにある。]
課題を解決するための手段

[0014] 本発明によれば、静電型スピーカシステムは、
−高電圧スイッチングパワー増幅器と、
− 高電圧スイッチング増幅器の出力部に結合された入力部を有する抽出フィルタと、
−容量性負荷と、抽出フィルタの出力部に結合された入力部とを有する静電型スピーカ要素と
を備え、抽出フィルタと容量性負荷の組合せが、少なくとも第1のフィルタ段及び第2のフィルタ段を有するフィルタ回路を形成し、
第1のフィルタ段は、共振周波数ω0及び品質係数(quality factor)Q>1/2を有するRLC回路を備え、第2のフィルタ段は、RLC回路の共振周波数ω0の信号成分を、抽出フィルタの出力部で減衰させる少なくとも1つの電気要素を有する低域フィルタである。]
[0015] 本発明は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を直接に駆動するシステムであって、フラットな周波数応答を有する広い動作帯域幅、安定性、信頼性、柔軟性、及び非常にエネルギー効率的な概念を可能にし、増幅されたアナログAC高電圧信号を非常に精確に処理し、高い忠実度を達成することができるシステムを提供する。さらに、非常にエネルギー効率的な概念を可能にする本発明の方法によって、低エネルギー電源、より少ない冷却手段、及びしたがってより小さなエンクロージャ手段、さらに、パラメータのシフトを小さくし、存在する構成要素のライフサイクルを長くする低い温度分散を達成することができる。]
[0016] 本発明の目的は、提示する方法、回路、式及び構成要素に従って、後に説明する方法で得られるよく設計された抽出フィルタであり、この抽出フィルタは、抽出フィルタの入力に提示されるパルス変調スイッチング信号の周波数が、抽出フィルタの動作帯域幅に比べて少なくとも1桁高いという条件で、受動積分器の役目を果たすことができる。続いて、抽出フィルタの動作帯域幅の範囲内で定義されるアナログAC出力信号は、パルス変調スイッチング入力信号の平均値に等しく、増幅されたアナログAC出力信号は、アナログ源信号の比例した複製である。抽出フィルタの出力部に接続された静電型スピーカ要素の容量性負荷は、周波数ドメイン及び信号ドメインにおいて、フラットな周波数応答を有する広い動作帯域幅、スイッチング周波数及びその調波を十分に減衰させる狭いフィルタロールオフ、良好なインパルス応答、アナログ信号が非常に精確に復元される安定したフィルタを可能にする方法を達成するために、抽出フィルタ構成の一体部分を形成する。]
[0017] さらに、本発明は、静電型スピーカ要素を、抽出フィルタとともに電気的にセグメント化する方法を提供し、したがって、静電型スピーカ要素を音響的に適合させることを可能にする技法を提供する。]
[0018] 本発明の他の実施形態は、従属請求項に示されている。]
[0019] 本発明に示された議論によれば、音声再生において高い品質レベルを達成するため、静電型スピーカ要素の容量性負荷に接続された高電圧スイッチングパワー増幅器の開ループ特性を非常に良好にすることができる。好ましい実施形態のこの新規の方法は、高分解能電圧レベルを提供し、したがって非常に低い全高調波歪み(THD)特性を表す、高度に緩和され、したがって非常に安定した高圧電源によって達成され、この非常に低い全高調波歪み(THD)特性は、負荷として使用される高インピーダンス装置、実現される高効率スイッチングトポロジ、及び抽出フィルタ及び高電圧DC電源に関連して無効電力量を再生することができる容量性負荷に固有の高い無効電力成分に従って達成される。さらに、容量性負荷を含む抽出フィルタを構成する高インピーダンス装置を駆動することによって、高電圧スイッチング出力段を、最小限のむだ時間で、非常に高速にスイッチングすることができる。さらに、よく設計された抽出フィルタは、好ましい高電圧スイッチングパワー増幅器の非常に良好な開ループ特性に資することができる。その結果、本発明は、フィードバック手段を一切使用せずに静電型スピーカ要素の容量性負荷を駆動する、ディジタルフロントエンド高電圧スイッチングパワー増幅器を提供する。]
[0020] 一般に、本発明を使用する設計者には、静電型スピーカセッティングの所望のパラメータを整合させるために、後に提示するさまざまな動作トポロジを選択する柔軟性が与えられる。続いて、本発明の範囲に含まれる高電圧スイッチングパワー増幅器の一実施形態は、さまざまなパワーレベルに関連したさまざまな高電圧レベルで、さまざまな性能レベルで、さまざまなアナログ及びディジタル入力フォーマットに関連したさまざまなパルス変調技法で、さまざまな出力段スイッチングトポロジで、並びにさまざまな抽出フィルタ構成で、動作することができることに留意されたい。]
[0021] 次に、いくつかの例示的な実施形態を使用し、添付図面を参照して、本発明をより詳細に論じる。添付図面は、本発明を例示することが意図されているが、本発明の範囲を限定することは意図されておらず、本発明の範囲は、添付の特許請求項の範囲及びその等価の実施形態によって定義される。]
図面の簡単な説明

[0022] 本発明に基づく静電型スピーカシステムの概念ブロック図である。
電圧フィードバック信号の電気回路図である。
電流フィードバック信号の電気回路図である。
傾斜スイッチングパワートポロジの回路構成を示す図である。
より複雑な傾斜スイッチングパワートポロジの回路構成を示す図である。
単純な受動単一端低域1次フィルタを示す図である。
受動差動低域1次フィルタを示す図である。
単一端低域2次フィルタを示す図である。
差動低域2次フィルタを示す図である。
単一端低域3次フィルタを示す図である。
差動低域3次フィルタを示す図である。
他の形態の単一端低域3次フィルタを示す図である。
他の形態の差動低域3次フィルタを示す図である。
単一端低域4次フィルタを示す図である。
差動低域4次フィルタを示す図である。
好ましい単一端抽出フィルタ実施形態を示す図である。
好ましい差動抽出フィルタ実施形態を示す図である。
並列共振フィルタが追加された好ましい単一端抽出フィルタを示す図である。
2つの並列共振フィルタが追加された好ましい差動抽出フィルタを示す図である。
メインの第2のフィルタ段に1又は複数の追加の低域フィルタが並列に接続された、好ましい単一端抽出フィルタを示す図である。
メインの第2のフィルタ段に1又は複数の追加の低域フィルタが並列に接続された、好ましい差動抽出フィルタを示す図である。
高域1次フィルタ及び低域3次フィルタを備える、単一端帯域フィルタのより実用的な回路構成を示す図である。]
実施例

[0023] 図1に、パルス変調器(ブロック1)、制御ユニット(ブロック2)、伝送リンク(ブロック3)、高電圧スイッチング出力段(ブロック4)、高電圧DC電源(ブロック5)、抽出フィルタ(ブロック6)及び容量性負荷(ブロック7)を備える静電型スピーカシステムの基本概念ブロック構造を示す。] 図1
[0024] 本発明は、例えば前置増幅器又はCDプレーヤなどの音声再生装置から送出され、パルス変調器(図1のブロック1)に接続された1又は複数のアナログ音声信号及びディジタル音声信号を、入力として受け取ることができる実施形態を提供する。このディジタル音声信号は、SPDIF、AAC、DTS、Quicktime、WMA、MP3などの適当な任意のディジタル音声フォーマットを有することができる。] 図1
[0025] パルス変調器、より具体的にはパルス幅変調器(PWM)には例えば、アナログ音声フォーマット入力信号及び基準三角信号が供給され、基準三角信号の周波数は、アナログ音声フォーマット入力信号の動作帯域幅に比べて少なくとも1桁高い。続いて、パルス幅変調器は、アナログ音声フォーマット入力信号を基準三角信号とアナログ方式で比較することによって、アナログ音声フォーマット入力信号を、三角信号の周波数に等しい基本波を表すパルス幅変調信号に変換する。このパルス変調信号の平均値は、アナログ音声フォーマット入力信号の平均値に等しい。]
[0026] パルス変調技法は、上記の例で説明したストレートなパルス幅変調に限定されず、音声用途に対して最適化された、後により詳細に説明するマルチビットパルス変調トポロジを使用するアナログ又はディジタルパルス変調器など、他のパルス変調手段を含む。パルス変調トポロジ(図1のブロック1)を、タイミングの誤りによる歪みを防ぐために例えばスイッチング出力段の状態をフィードバックするフィードバック信号に対応する特性を補償するように構成することができる。] 図1
[0027] 静電型スピーカ要素の容量性負荷も、パルス変調トポロジに、電圧フィードバック及び電流フィードバックに基づくフィードバックを返すことができる。]
[0028] 図2aに示すように、入力端子Uinは、大地基準AC高電圧アナログ信号を受け取ることができ、大地基準電圧フィードバック信号Ufbaを供給する大地基準コンデンサCfbに直列に接続された静電型スピーカ要素の容量性負荷Ceseに接続されており、適切な帰還率を設定するために、容量性負荷Ceseは、はるかに高い静電容量値を有するコンデンサCfbに対する容量型分圧器を形成する。図2bに示すように、入力端子Uinは、大地基準AC高電圧アナログ信号を受け取ることができ、大地基準電流フィードバック信号Ufbbを供給する大地基準抵抗器Rfbに直列に接続された静電型スピーカ要素の容量性負荷Ceseに接続されており、フィードバック信号Ufbbは、容量性負荷Ceseを流れる電流の等価比(equivalent ratio)である。] 図2a 図2b
[0029] 本発明を使用する設計者には、例えばシグマデルタ変調、自己振動クラスD変調、又はTexas Instruments社製のEquibit、Zetex社製のclass Zのようなディジタル変調器などのさまざまなパルス変調トポロジを選択する柔軟性が与えられることに留意されたい。さらに、これらのさまざまなパルス変調トポロジを、アナログドメイン及びディジタルドメインで実現されるフィードフォワード手段及びフィードバック手段と組み合わせることもできる。]
[0030] スイッチングパワートポロジ内に構成された構成要素には実用上の限界があるため、本発明に基づく静電型スピーカシステムは、例えばディレイタイミング(delay timing)制御及びリミッタ機能を実現する制御ユニット(ブロック2)を備えていてもよい。ディレイタイミング制御は一般に、変調器が生成したパルス変調信号のタイミングを調整し、むだ時間(dead time)と呼ばれる調整された時間が、スイッチング出力段における遷移中に交差伝導を防ぐ。さらに、スイッチング出力段のセーブ(save)動作を達成するため、リミッタ機能によって、パルス変調信号のパルス幅を、許容される最小パルス幅の範囲内に制限することもできる。]
[0031] 制御ユニット(ブロック2)は、前述のフィードフォワード制御法の例に限定されず、誤りを排除して、静電型スピーカシステムの動作をより効率的で信頼性の高いものにする、フィードバック手段などの他の制御手段を含むこともできる。]
[0032] 一般に、スイッチングパワートポロジは、1又は複数のスイッチング要素からなる回路構成を表し、これらのスイッチング要素は、互いに対して、及び大地基準を含む囲われた他の構成要素に対して浮動(floating)であることができる。続いて、浮動特性を維持する構成スイッチング要素を駆動するために、各スイッチング要素に対して、図1のブロック3に示した1又は複数のガルバニック減結合(galvanically decoupled)伝送リンクを利用することができる。ガルバニック減結合伝送リンクは例えば、囲われたドライバ回路を有する発光ダイオードからなり、入力として1ビットディジタル信号が供給される伝送器を備えることができ、この伝送器を、光ケーブルによって、ドライバ回路内に囲われたフォトトランジスタなどの適当な受信器に接続することができる。続いて、この受信器は、スイッチング要素を、1ビットディジタル入力信号に対応する伝導又は遮断状態に駆動することができる。] 図1
[0033] 使用されるガルバニック減結合伝送技法は、前述のデータ伝送リンクの例に限定されず、高速及び高電圧動作に対して最適化された一体型の光アイソレータ、又は変圧器などの他のガルバニック減結合手段を含むことができる。ガルバニック減結合ドライバ配置の正確さは、エンドシステム性能にとって非常に重要であることを留意されたい。]
[0034] 高電圧スイッチング出力信号を生成することができる安定した信頼性の高い方法を提供するためには、傾斜(gradient)スイッチングトポロジを、スイッチングパワー出力段(ブロック4)として使用することが望ましい。高電圧スイッチング出力信号は、数百から数千ボルト程度の出力電圧を有することができ、加えて高い効率を表し、これはこの原理に固有である。傾斜スイッチングパワートポロジは一般に、カスケード接続されたいくつかのスイッチング出力ユニットが、それらのいくつかのスイッチング出力ユニットが発生させる電圧の和とすることができるスイッチング出力電圧を供給する、当業者によく知られた方法を表し、各スイッチング出力ユニットは、単独で、所定のスイッチング出力電圧を有することができる。スイッチング出力ユニットの出力電圧を決定し、カスケード接続された接続スイッチング出力ユニットの数を選択することによって、傾斜スイッチング出力段の所望の最大スイッチング出力電圧を容易に得ることができる。]
[0035] 傾斜スイッチングパワートポロジを有するように実現されたスイッチングパワー出力段は、2つ以上のスイッチング出力ユニットを囲い、1つの出力ユニットが複数のスイッチング要素を備え、スイッチング要素は、例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)又はクランプダイオード結合されたバイポーラ接合トランジスタ(BJT)などの適当な任意のタイプの半導体とすることができる。さらに、スイッチング出力ユニットはそれぞれ、例えば1つ又は並列に接続された2つ以上の適当なコンデンサからなることができるDC電源を備える。]
[0036] 傾斜スイッチングパワートポロジは、さまざまな回路構成で実現することができることに留意されたい。そのうちの2つの例示的な構成回路を図3A及び図3Bに示す。図3aに示すように、この傾斜スイッチングパワートポロジの回路構成は、大地に対するスイッチング出力ユニットの電圧の和に等しいスイッチング出力電圧を供給する。さらに、カスケード接続されたスイッチング出力ユニットの第2のDC電源及び後続のDC電源は、接地された第1のスイッチング出力ユニットのメインの最初のDC電源によって充電される。大地に対するDC電圧成分を含まないスイッチング出力信号が必要な場合、例えばDCブロッキングコンデンサ又はDCバイアス電圧によって、減結合を実現することができる。図3bを参照すると、大地に対するDC電圧オフセット成分を含まないスイッチング出力信号を供給する、より複雑な傾斜スイッチングパワートポロジの回路構成が示されている。さらに、各スイッチング出力ユニットは、適合DC電源電圧によって、特性スイッチング出力電圧を有するように実現することができる。] 図3a 図3b
[0037] 傾斜スイッチング配置が、一体式とは反対のモジュール形態で構成される場合、実現されるモジュールはそれぞれ、例えばコネクタ手段、並びにエンクロージャ手段及び冷却装置が追加され、その結果、例えば、スタック形態にカスケード接続されたスイッチング出力モジュールの数を選択することによって所望のスイッチング出力電圧又は電圧出力ステップの分解能を選択する際のシステム汎用性が増大した、前述のスイッチング出力ユニットを提供することができる。さらに、モジュール設計によるシステム汎用性の増大は、高電圧スイッチング増幅器の製造に関する最適な費用対性能比を可能にすることができる。]
[0038] 傾斜スイッチング配置の各スイッチング出力ユニットでは、異なるレベルのスイッチング出力電圧と電流の組合せを提供するために、別々だが相互に関係したマルチビットパルス変調制御方式を実現することができ、少なくとも1つのスイッチング出力ユニットのスイッチング周波数が、アナログ動作信号帯域幅に比べて少なくとも1桁高いという条件で、互いに独立した各スイッチング出力ユニットを、異なる時点及び周波数で切り換えることができることに留意されたい。前述のマルチビットパルス変調制御方式を使用する傾斜スイッチング配置を使用して、例えば、マルチビットパルス変調高電圧スイッチング信号からの高電圧アナログ信号の抽出を強化するように、フィルタリング性能を最適化することができる。]
[0039] 図3a及び図3bに示した例示的な回路構成に基づく傾斜スイッチングパワートポロジは、半ブリッジトポロジを示す。] 図3a 図3b
[0040] しかしながら、本発明の提示された他の実施形態では、後により詳細に説明するように、互いの反対側に2つの傾斜スイッチング配置がセットされた、フルブリッジ又はHブリッジトポロジも使用される。]
[0041] 本発明の好ましい実施形態で使用する傾斜スイッチングパワートポロジは、上記の2つの傾斜スイッチング配置の例示的な回路構成に限定されず、例えば、よく整形されたブロック波出力信号及び高電圧動作に対して最適化された、最も基本的なよく知られたスイッチング半ブリッジ及びフルブリッジトポロジなどの他のスイッチングトポロジ手段を含む。]
[0042] 高電圧パワー増幅器の容量性負荷を考えると、処理される皮相電力は、後により詳細に説明するように、有効電力部分よりも優勢な無効電力部分からなることができる。続いて、図1のブロック5に示した、よく設計された高DC電圧電源の目的は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を駆動するために皮相電力を処理し、可変の負荷条件下で正確で安定したDC電圧を維持することであり、電源の高いDC電圧は、スイッチング出力段のブロック波出力信号、したがって関連アナログ出力信号による内部変調を所望の最小値に抑え、これにより、負荷として使用された高インピーダンス装置に基づく開ループセッティングであっても非常に良好な全高調波歪み(THD)特性、構成高効率スイッチングトポロジ、及び容量性負荷に固有の高い無効電力成分を達成することができる。] 図1
[0043] AC本線から電力を得るDC電源は、例えば、1つの安定化コンデンサ又は並列の2つ以上の安定化コンデンサ、或いはスイッチモード電源(SMPS)に関連したブリッジ整流器などのよく知られた設計トポロジによって実現することができる。]
[0044] DC電圧をゼロ電圧と最大電圧の間で調整することができるDC電源の場合、主音量アナログ出力信号制御が得られる。したがって、アナログ又はディジタル音声フォーマット入力信号は、高電圧スイッチングパワー増幅器の回路全体を通じて最大信号分解能を維持する。その結果、小信号増幅が改善され、雑音が低減し、例えば高電圧スイッチングパワー増幅器の入力におけるアナログ又はディジタル音声フォーマット信号の規則的な主音量調節に関する効率がさらに増大する。]
[0045] 本発明の1つの目的は、図1のブロック6に示すよく設計された抽出フィルタである。次に、抽出フィルタトポロジのいくつかの例、及びそれぞれの抽出フィルタトポロジに対して最適な構成要素値を得る方法を説明する。提示する方法、回路、式及び構成要素は、当業者が、後に説明する2つの主要なフィルタリング要件を表し、周波数ドメイン及び信号ドメインにおいて、フラットな周波数応答を有する広い動作帯域幅、スイッチング周波数及びその調波を十分に減衰させる狭いフィルタロールオフ、良好なインパルス応答、アナログ信号が非常に精確に復元される安定したフィルタを提供する抽出フィルタを得ることを可能にする。抽出フィルタの出力部に接続された、図1のブロック7に示す静電型スピーカ要素の特性容量性負荷は、上記の目的を達成するための抽出フィルタ構成の一体部分を形成し、さらに、抽出フィルタ計算の始点となることに留意されたい。したがって、以下の説明では、ブロック6とブロック7を同時に論じる。] 図1
[0046] 第1の要件によれば、抽出フィルタの入力に提示される生成された高電圧スイッチング出力信号の一般に250kHzから1.5MHzである周波数が、抽出フィルタの動作帯域幅に比べて少なくとも1桁高く、一般に5から10倍であるという条件で、抽出フィルタは、受動積分器の役目を果たすように強制される。続いて、抽出フィルタの動作帯域幅の範囲内で定義されるアナログ出力信号は、パルス変調スイッチング入力信号の平均値に等しく、増幅されたアナログ出力信号は、アナログ源信号の比例した複製である。]
[0047] 第2の要件によれば、抽出フィルタは、高電圧スイッチング出力段によって生成される電磁干渉(EMI)を最小化するように強制される。一般に、高電圧出力段は、スイッチング周波数及び基本波の整数倍のスペクトルエネルギーを含む急速に移動する過渡縁を有する高電圧及び高周波ブロック波信号を供給する。その結果、EMIの放射及び伝導を最小化し、さらに適用可能な規制の順守を保証するために、高電圧スイッチング信号のスイッチング周波数及びその調波が十分に減衰される抽出フィルタが必要となる。]
[0048] 例えば、適切なEMI性能を得るために、スペクトラム拡散変調(Spread spectrum modulation)を、抽出フィルタとともに使用することができる。スペクトラム拡散変調は一般に、固定パルス変調信号周波数ではなしに、パルス変調信号の基本波をディザリング(dithering)し、ランダム化することによって達成される。その結果、抽出フィルタの周波数出力スペクトル中に存在するエネルギーの総量は、スペクトラム拡散変調を使用しても同じだが、スペクトルエネルギー全体が、より広い帯域幅にわたって効果的に拡散され、したがって、固定スイッチング周波数及びその調波に集中しない。]
[0049] 一般に、本発明の好ましい抽出フィルタ実施形態の目的は、消散する電気エネルギーを最小化することである。さらに、好ましい抽出フィルタ実施形態は、例えば静電型スピーカ要素の設計及び構造、処理対象のパルス変調信号のフォーマットなどの本発明がカバーする所望のパラメータを整合させるために、さまざまな設計問題に依存する。]
[0050] 2枚の多孔導電固定板を備え、さらに、これらの2枚の固定板間に配置され、固定板に対してその両側に小さな空隙を有する薄い導電振動板を備える静電型スピーカ要素の基本構造によれば、静電型スピーカ要素の存在する容量性負荷を、半ブリッジスイッチングトポロジを使用する単一端抽出フィルタ構成、及びフルブリッジスイッチングトポロジを使用する差動抽出フィルタ構成で実現することができる。可逆的に動作する差動抽出フィルタにおける平衡を維持するため、使用される差動抽出フィルタは、静電型スピーカ要素の容量性負荷に関して対称に実現されることを強調しておく。]
[0051] 単一端構成を実現する場合には、半ブリッジスイッチングトポロジが、単一端抽出フィルタとともに使用され、単一端フィルタの出力部が、静電型スピーカ要素の導電振動板に接続される。さらに、静電型スピーカ要素の両方の固定板には、導電振動板に対して、互いに相補的な一定の電荷(正及び負の電荷)が供給される。続いて、単一端構成で実現された静電型スピーカ要素の容量性負荷は、静電型スピーカ要素の導電振動板と振動板の両側の2枚のAC短絡固定板との間にある。]
[0052] 固定板に対して一定の電荷を有する振動板を備える静電型スピーカ要素の代替実施形態では、どちらか一方の固定板を、単一端構成で駆動することができ、残りの固定板は例えば共通DC基準電圧に接続され、容量性負荷は、静電型スピーカ要素の2枚の固定板間にある。]
[0053] しかしながら、他の実施形態では、静電型スピーカ要素の容量性負荷を差動抽出フィルタによって差動的に駆動するため、2つの半ブリッジトポロジが互いの反対側にセットされたフルブリッジ又はHブリッジスイッチングトポロジを使用することができる。一般に、最も基本的なフルブリッジスイッチングトポロジは、互いに相補的な2つのブロック波信号を生成し、その結果、同じ電源電圧を使用する半ブリッジトポロジに比べて2倍の出力電圧振幅を提供する交番差動電圧が、差動抽出フィルタに印加される。]
[0054] 差動構成を実現する場合には、フルブリッジスイッチングトポロジが、「プッシュプル」構成を表す差動抽出フィルタとともに使用され、差動抽出フィルタの出力部が、静電型スピーカ要素の固定板に接続される。さらに、静電型スピーカ要素の振動板には、固定板に対して、一定の電荷が供給される。続いて、差動構成で実現された静電型スピーカ要素の容量性負荷は、静電型スピーカ要素の固定板間にある。]
[0055] それぞれが例えば全く同じ基本静電型スピーカ要素の容量性負荷を駆動する上述の単一端構成及び差動構成によれば、単一端構成において提示される存在する容量性負荷は、差動構成において存在する容量性負荷の4倍である。その結果、単一端構成で実現された基本静電型スピーカ要素は、差動構成で実現された同一の静電型スピーカ要素に比べて、等しい量の電荷、したがって等しい電界強度を発生させるために使用するアナログ高電圧振幅が4分の1ですむ。]
[0056] 例えば単一の電源電圧によるDC電圧オフセット成分を含む半ブリッジ又はフルブリッジトポロジでは、DC電圧オフセット成分を含まないAC高電圧アナログ信号が、例えば静電型スピーカ要素内に実現される共通基準電圧とともに必要な場合、このDC電圧オフセット成分を、例えばDCブロッキングコンデンサ、正及び負の電源電圧、又はDCバイアス電圧によって除去することができることに留意されたい。DC電圧オフセット成分を含む半ブリッジトポロジと同様に、フルブリッジトポロジも、容量性負荷のそれぞれの側に、共通基準電圧に対するDC電圧オフセット成分を有する。]
[0057] 静電型スピーカ要素の振動板領域を、静電型スピーカ要素の設計及び構造に応じて2つ以上のセグメントにセグメント化することによって、例えば特に高周波可聴範囲内の音波のより幅広い分散を提供するように、振動板領域を音響的に適合させることができる。振動板領域を音響的にセグメント化することを可能にする方法は、一方又は両方の固定板及び導電振動板領域を電気的にセグメント化することによって達成することができる。その結果、各セグメントは、後により詳細に説明する抽出フィルタ実施形態で使用する容量構成要素を形成する特性静電容量を含む。言うまでもなく、静電型スピーカ要素で実施されるセグメント化技法は、前述の単一端構成及び差動構成とともに使用することができる。]
[0058] 静電型スピーカ要素を、例えば別の静電型スピーカ要素に対して、1つのセグメントと解釈することもできることに留意されたい。さらに、動作帯域幅を全体として又は部分的に適合させるセグメント化技法は、静電型スピーカ要素に限定されず、エレクトロダイナミック型コーンスピーカ要素など、他の音声投射構成要素を含むことができる。それにもかかわらず、静電型スピーカ要素を音響的に適合させるために、静電型スピーカ要素が複数のセクションにセグメント化される場合には、例えば信号フィルタ手段又は信号遅延手段を提供して、セグメント化された各セクションを、高電圧スイッチングパワー増幅器によって単独で駆動することができ、複数のそれぞれの高電圧スイッチングパワー増幅器には、適合したアナログ又はディジタルフォーマット信号が、例えば前置増幅器トポロジ内に囲われたアナログ又はディジタル処理ユニットによって分配された入力として供給される。]
[0059] 次に、本発明の抽出フィルタ実施形態をより具体的に説明する。抽出フィルタ実施形態に関する本発明の以下の説明は、例示及び説明のためだけに本明細書に提示したものであり、開示される正確な形態が、網羅的であること、又はそれらに限定されることは意図されていないことを強調しておく。さらに、本発明の抽出フィルタ実施形態は、フィルタ構成自体に属するだけでなく、その全ての構造の特定の組合せ、並びに指定された機能に対するその全ての相互関係にも属する。]
[0060] 図4は、単純な受動1次フィルタを表す単一端低域フィルタ10aの回路図を示す。] 図4
[0061] 図4に示すように、低域フィルタ10a構成は、大地に対して入力端子IN11に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ10a段は、抵抗器R11とコンデンサC11の直列接続を備え、この直列接続は、入力端子IN11と接地ノードの間に接続される。低域フィルタ10a構成の構成コンデンサC11は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図4
[0062] 理想的には、1次低域フィルタ10aセッティングのロールオフが、遮断周波数後において20dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ10aのラジアンで表現された遮断周波数は以下のとおりである。]
[0063] ]
[0064] フィルタ10aの出力インピーダンスは、下式によって定義され、]
[0065] ]
[0066] フィルタ10aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0067] ]
[0068] 図5は、受動1次フィルタを表す差動低域フィルタ10bの回路図を示す。] 図5
[0069] 図5に示すとおり、低域フィルタ10b構成は、入力端子IN12bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して入力端子IN12aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ10b段は、第1の抵抗器R12a、コンデンサC12及び第2の抵抗器R12bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN12aと第2の入力端子IN12bの間に接続される。低域フィルタ10b構成の構成コンデンサC12は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図5
[0070] 差動フィルタ10bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ10aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ10aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ10bセッティングのフィルタ特性とを整合させるために、抵抗器R11の抵抗を2で割り、抵抗器R12a及びR12bに割り当てる。]
[0071] 例えば、抵抗器R11の抵抗器値が10キロオームと計算された場合には、抵抗器R12aを5キロオームに設定し、抵抗器R12bを5キロオームに設定する。最後に、コンデンサC11の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC12の静電容量に等しい。]
[0072] 単一端フィルタ10aセッティング及び等価の差動フィルタ10bセッティングは無条件で安定であり、例えば、より高次の他の受動フィルタ手段及びセグメント化手段とともに使用することができる。しかしながら、単一端フィルタ10a構成及び差動フィルタ10b構成は、前述の2つの明示された主要なフィルタリング要件を満たす抽出フィルタ性能を提供することができない。]
[0073] 図6は、受動2次RLCフィルタを表す単一端低域フィルタ20aの回路図を示す。] 図6
[0074] 図6に示すとおり、低域フィルタ20a構成は、大地に対して入力端子IN21に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ20a段は、抵抗器R21、インダクタL21及びコンデンサC21の直列接続を備え、この直列接続は、入力端子IN21と接地ノードの間に接続される。低域フィルタ20a構成の構成コンデンサC21は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図6
[0075] 理想的には、低域2次フィルタ20aセッティングのロールオフが、遮断周波数後において40dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ20aのラジアンで表現された減衰共振周波数は以下のとおりである。]
[0076] ]
[0077] フィルタ20aの出力インピーダンスは、下式によって定義され、]
[0078] ]
[0079] フィルタ20aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0080] ]
[0081] 図7は、受動2次RLCフィルタを表す差動低域フィルタ20bの回路図を示す。この説明において、用語「共振周波数」は、RLC回路の不減衰共振周波数又は固有周波数ω0に対応し、減衰共振周波数は、RLC回路の固有周波数及び減衰率から導き出される周波数である。] 図7
[0082] 図7に示すとおり、低域フィルタ20b構成は、入力端子IN22bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して入力端子IN22aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ20b段は、第1の抵抗器R22a、第1のインダクタL22a、コンデンサC22、第2のインダクタL22b及び第2の抵抗器R22bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN22aと第2の入力端子IN22bの間に接続される。低域フィルタ20b構成の構成コンデンサC22は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図7
[0083] 差動フィルタ20bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ20aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ20aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ20bセッティングのフィルタ特性とを整合させるために、抵抗器R21の抵抗を2で割り、抵抗器R22a及びR22bに割り当てる。さらに、インダクタL21のインダクタンスを2で割り、インダクタL22a及びL22bに割り当て、最後に、コンデンサC21の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC22の静電容量に等しい。]
[0084] 単一端フィルタ20aセッティングを使用する場合、安定して機能する抽出フィルタの設計に関係する決定的に重要な因子の1つは、共振周波数における減衰特性である。低域フィルタ20aセッティングの最適減衰特性を達成し、続いて、指定された最適減衰要件を満たすために、式E4によって定義されるラジアンで表現された共振周波数をゼロにセットし、共振周波数における減衰特性のピーキングを防ぐ。この指定された最適減衰要件は、フィルタ20aセッティングが直ぐに安定し、摂動挙動を防ぎ、その一方で、可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を有する低域フィルタ20aセッティングを提供する最低限の減衰を維持する、よく平衡した状態を提示する。]
[0085] 式E4によって定義されるラジアンで表現された減衰共振周波数ωdをゼロにセットした場合、式E4を、下式に従って、より一般的な項で書き直すことができる。]
[0086] ]
[0087] 上式で、Rは抵抗、Lはインダクタンス、Cは静電容量である。]
[0088] 式E4によって定義されるラジアンで表現された減衰共振周波数ωdがゼロにセットされているという条件で、式E7を再配列すると、以下の式を得ることができる。]
[0089] ]
[0090] 式E8を、最適な減衰抵抗値であるRについて解いた場合、Rは、下式によって表現することができる。]
[0091] ]
[0092] フィルタ20aセッティングに示した減衰2次フィルタの品質係数Qは、下式に従って、より一般的な項で定義することができる。]
[0093] ]
[0094] 前述のとおり減衰共振周波数がゼロにセットされる、Rを定義する式E10に、式E9を代入し、Qについて解くと、Qは以下の結果に等しい。]
[0095] ]
[0096] 図8は、受動低域3次フィルタを表す、第2のフィルタ段及び第1のフィルタ段からなる単一端抽出フィルタ30aの回路図を示す。第2のフィルタ段はRCフィルタを含み、第1のフィルタ段はRLC回路を含む。抽出フィルタ30aの構成要素値セッティング、及び後述する派生差動フィルタ30bセッティングは、第1の弱減衰フィルタ段から送出された共振周波数の信号成分を、第2のフィルタ段に存在する構成減衰構成要素によって十分に減衰させる観点から実現される。] 図8
[0097] 図8に示すとおり、低域フィルタ30a構成は、大地に対して入力端子IN31に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ30aの第2のフィルタ段は、第2の段の抵抗器R31と第2の段のコンデンサC31の直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の入力端子IN31と接地ノードの間に接続され、フィルタ30aの第1のフィルタ段は、第1の段の抵抗器R32、第1の段のインダクタL31及び第1の段のコンデンサC32の直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の入力端子と接地ノードの間に接続され、第2の段の抵抗器R31と第2の段のコンデンサC31の間のノードは、第2のフィルタ段の出力ノードに結合され、この出力ノードは、第1のフィルタ段の第1の段の入力端子に結合される。低域フィルタ30a構成の第1の段の構成コンデンサC32は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図8
[0098] 理想的には、低域3次フィルタ30aセッティングのロールオフが、第2の遮断周波数後において60dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ30aの出力インピーダンスは、下式によって定義され、]
[0099] ]
[0100] フィルタ30aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0101] ]
[0102] 図9は、受動低域3次フィルタを表す差動抽出フィルタ30bの回路図を示す。] 図9
[0103] 図9に示すとおり、低域フィルタ30b構成は、入力端子IN32bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して入力端子IN32aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ30bの第2のフィルタ段は、第2の段の第1の抵抗器R33a、第2の段のコンデンサC33及び第2の段の第2の抵抗器R33bの直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の第1の入力端子IN32aと第2の段の第2の入力端子IN32bの間に接続され、フィルタ30b段の第1のフィルタ段は、第1の段の第1の抵抗器R34a、第1の段の第1のインダクタL32a、第1の段のコンデンサC35、第1の段の第2のインダクタL32b及び第1の段の第2の抵抗器R34bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の段の第1の端子と第1の段の第2の端子の間に接続され、第2の段の第1の抵抗器R33aと第2の段のコンデンサC33の間のノードは、フィルタ30bの第2のフィルタ段の第1の出力ノードに結合され、第2の段の第2の抵抗器R33bと第2の段のコンデンサC33の間のノードは、第2のフィルタ段の第2の出力ノードに結合され、第2のフィルタ段の第1の出力ノードは、第1の段の第1の端子に結合され、第2のフィルタ段の第2の出力ノードは、第1の段の第2の端子に結合され、さらに、第1の出力ノードと接地ノードの間にコンデンサC34aが接続され、第2の出力ノードと接地ノードの間にコンデンサC34bが接続される。低域フィルタ30b構成の第1の段の構成コンデンサC35は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図9
[0104] コンデンサC34a及びC34bを除く差動フィルタ30bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ30aセッティングの等価モデルを表す。]
[0105] 同様に、コンデンサC33を除く差動フィルタ30bセッティングも、単一端フィルタ30aセッティングの等価モデルを表す。続いて、差動低域フィルタ30b構成は、好ましい構成を形成する、コンデンサC34a及びC34bを除く単一のコンデンサC33によって、又はDC電圧若しくは接地ノードを基準とする、コンデンサC33を除くコンデンサC34a及びC34bによって、或いはコンデンサC33、C34a及びC34bの組合せによって実現することができる。単一端フィルタ30aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ30bセッティングのフィルタ特性とを整合させるため、抵抗器R31の抵抗を2で割り、抵抗器R33a及びR33bに割り当て、抵抗器R32の抵抗を2で割り、抵抗器R34a及びR34bに割り当て、さらに、インダクタL31のインダクタンスを2で割り、インダクタL32a及びL32bに割り当てる。コンデンサC34a及びC34bを除いてコンデンサC33を実現する場合、コンデンサC31の静電容量は、コンデンサC33の静電容量に等しい。コンデンサC33を除いて、低域差動フィルタ30a構成のコンデンサC34a及びC34bを実現する場合には、コンデンサC31の静電容量に2を掛け、コンデンサC34a及びC34bに割り当てる。最後に、コンデンサC32の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC35の静電容量に等しい。]
[0106] 単一端フィルタ30aセッティングを使用する場合、安定して機能するフィルタの設計に関係する決定的に重要な因子の1つは、最適減衰特性を達成するために、コンデンサC31の静電容量値とコンデンサC32の静電容量値の間の適切な比、並びに抵抗器R31及びR32の適切な減衰抵抗を達成することである。可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を有する最適な低域フィルタ30aセッティングを得るためには、フィルタ30a構成の抵抗器R32を排除することが望ましい。しかしながら、インダクタL31の実用上の限界のため、小さな抵抗値が残り、抵抗器R32が、インダクタL31の内部DC抵抗を表すことがある。その結果、低域フィルタ30a構成は、最適な低域フィルタ30aセッティングに対する良好な近似となる。したがって、以下の式及び開示する記述では、特に指摘しない限り、結果を危うくすることなく、低域フィルタ30a構成の中に構成された抵抗器R32が無視される。]
[0107] 最適減衰要件を満たすため、抵抗器R31の抵抗値を、インダクタL31及びコンデンサC32、並びにコンデンサC31を含むRLC回路の特性インピーダンスに等しくなるようにセットする。抵抗器R31の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0108] ]
[0109] 上式で、静電容量値Csは、コンデンサC32に直列に接続されたコンデンサC31の相当値(equivalent value)を表し、以下のように表現することができる。]
[0110] ]
[0111] コンデンサC31の静電容量値とコンデンサC32の静電容量値の間の適切な比は、式E8によって得ることができ、式E8は、低域フィルタ30aセッティングを達成するために、下式のように書き直すことができる。]
[0112] ]
[0113] コンデンサC31の静電容量値とコンデンサC32の静電容量値の間の適切な比を、比係数nで表した場合には、コンデンサC32の静電容量値を、下式に等しくなるようにセットすることができる。]
[0114] ]
[0115] 式E14及びE17を式E16に代入すると、下式が得られる。]
[0116] ]
[0117] 式E18を、前述の式E14に存在する最適減衰抵抗を用いて、最適比係数であるnについて解いた場合、nは、丸められた以下の結果に等しく、]
[0118] ]
[0119] 続いて、式E17を以下のように書くことができる。]
[0120] ]
[0121] フィルタ30aセッティングの所望のインパルス応答を得るため、その抵抗が増大するとQが低下する抵抗器R32によって、Qを調整することができる。抵抗器R32の抵抗とQの間の関係は、下式によって表現することができる。]
[0122] ]
[0123] 単一端フィルタ30aセッティング及び等価の差動フィルタ30bセッティングは、フラットな周波数応答並びに前述の抽出フィルタ実施形態に比べて改良されたロールオフ特性を示す、より広い動作帯域幅を達成する安定した抽出フィルタを可能にする方法を提供する。]
[0124] 図10は、受動低域3次フィルタを表す、第1のフィルタ段及び第2のフィルタ段からなる単一端抽出フィルタ40aの回路図を示す。第1のフィルタ段はRLC回路を含み、第2のフィルタ段はRC回路を含む。抽出フィルタ40aの構成要素値セッティング、及び後述する派生差動フィルタ40bセッティングは、第1の弱減衰フィルタ段から送出された共振周波数の信号成分を、第2のフィルタ段に存在する構成減衰構成要素によって減衰させる観点から実現される。] 図10
[0125] 図10に示すとおり、低域フィルタ40a構成は、大地に対して入力端子IN41に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ40aの第1のフィルタ段106は、第1の段の抵抗器R41、第1の段のインダクタL41及び第1の段のコンデンサC41の直列接続を備え、この直列接続は、第1の段の入力端子IN41と接地ノードの間に接続され、フィルタ40aの第2のフィルタ段は、第2の段の抵抗器R42と第2の段のコンデンサC42の直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の入力端子と接地ノードの間に接続され、第1の段のインダクタL41と第1の段のコンデンサC41の間のノードは、第1のフィルタ段の出力ノードに結合され、この出力ノードは、第2のフィルタ段の第2の段の入力端子に結合される。低域フィルタ40a構成の第2の段の構成コンデンサC42は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図10
[0126] 理想的には、低域3次フィルタ40aセッティングのロールオフが、第2の遮断周波数後において60dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ40aの出力関数は、下式によって定義され、]
[0127] ]
[0128] フィルタ40aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0129] ]
[0130] 図11は、受動低域3次フィルタを示す差動抽出フィルタ40bの回路図を表す。] 図11
[0131] 図11に示すとおり、低域フィルタ40b構成は、入力端子IN42bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して入力端子IN42aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ40bの第1のフィルタ段106は、第1の段の第1の抵抗器R43a、第1の段の第1のインダクタL42a、第1の段のコンデンサC43、第1の段の第2のインダクタL42b及び第1の段の第2の抵抗器R43bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の段の第1の入力端子IN42aと第1の段の第2の入力端子IN42bの間に接続され、フィルタ40b段の第2のフィルタ段は、第2の段の第1の抵抗器R44a、第2の段のコンデンサC44及び第2の段の第2の抵抗器R44bの直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の第1の入力端子と第2の段の第2の入力端子の間に接続され、第1の段の第1のインダクタL42aと第1の段のコンデンサC43の間のノードは、第1のフィルタ段106の第1の出力ノードに結合され、第1の段の第2のインダクタL42bと第1の段のコンデンサC43の間のノードは、第1のフィルタ段106の第2の出力ノードに結合され、第1の出力ノードは、第2の段の第1の入力端子に結合され、第2の出力ノードは、第2の段の第2の入力端子に結合される。低域フィルタ40b構成の第2の段の構成コンデンサC44は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図11
[0132] 差動フィルタ40bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ40aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ40aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ40bセッティングのフィルタ特性とを整合させるため、抵抗器R41の抵抗を2で割り、抵抗器R43a及びR43bに割り当て、抵抗器R42の抵抗を2で割り、抵抗器R44a及びR44bに割り当て、さらに、インダクタL41のインダクタンスを2で割り、インダクタL42a及びL42bに割り当て、コンデンサC43の静電容量は、コンデンサC41の静電容量に等しく、最後に、コンデンサC42の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC44の静電容量に等しい。]
[0133] 単一端フィルタ40aセッティングを使用する場合には、最適減衰特性を達成するために、コンデンサC41の静電容量値とコンデンサC42の静電容量値の間の適切な比、並びに抵抗器R41及びR42の適切な減衰抵抗を達成することが強調される。可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を有する最適な低域フィルタ40aセッティングを得るためには、抽出フィルタ40a構成の抵抗器R41を排除することが望ましい。しかしながら、インダクタL41の実用上の限界のため、小さな抵抗値が残り、抵抗器R41が、インダクタL41の内部DC抵抗を表すことがある。その結果、低域フィルタ40a構成は、最適な低域フィルタ40aセッティングに対する良好な近似となる。したがって、以下の式及び開示する記述では、特に指摘しない限り、結果を危うくすることなく、低域フィルタ40a構成の中に構成された抵抗器R41が無視される。]
[0134] 最適減衰要件を満たすため、抵抗器R42の抵抗値を、インダクタL41及びコンデンサC41を含むRLC回路の特性インピーダンスに等しくなるようにセットする。抵抗器R42の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0135] ]
[0136] コンデンサC41の静電容量値とコンデンサC42の静電容量値の間の適切な比は、式E8によって得ることができ、式E8は、低域フィルタ40aセッティングを達成するために、下式のように書き直すことができる。]
[0137] ]
[0138] コンデンサC41の静電容量値とコンデンサC42の静電容量値の間の適切な比を、比係数nで表した場合には、コンデンサC42の静電容量値を、下式に等しくなるようにセットすることができる。]
[0139] ]
[0140] 式E24及びE26を式E25に代入すると、下式が得られる。]
[0141] ]
[0142] 式E27を、前述の式E24に存在する最適減衰抵抗を用いて、最適比係数であるnについて解いた場合、nは、以下の結果に等しく、]
[0143] ]
[0144] 続いて、式E26を以下のように書くことができる。]
[0145] ]
[0146] フィルタ40aセッティングの所望のインパルス応答を得るため、その抵抗が増大するとQが低下する抵抗器R41によって、Qを調整することができる。抵抗器R41の抵抗とQの間の関係は、下式によって表現することができる。]
[0147] ]
[0148] 単一端フィルタ40aセッティング及び等価の差動フィルタ40bセッティングは、フラットな周波数応答、並びに単一端フィルタ30a実施形態及び差動フィルタ30b実施形態に匹敵するロールオフ特性を示す、広い動作帯域幅を達成する安定した抽出フィルタを可能にする方法を提供する。フィルタ40a及びフィルタ40bでは、抵抗器に供給される信号の高周波が減衰されるため、抽出フィルタの抵抗器によって消費される電力が減り、図4〜9に示した前述のフィルタ実施形態に比べて高い効率が達成されることに留意されたい。フィルタ40a及びフィルタ40bでは、抵抗器に供給される信号の高周波が減衰されるため、抽出フィルタの抵抗器によって消費される電力が減る。] 図4 図5 図6 図7 図8 図9
[0149] 図12は、受動低域4次フィルタを表す、第1のRLCフィルタ段106及び第2のRLCフィルタ段108からなる単一端抽出フィルタ50aの回路図を示し、抽出フィルタ50aの構成要素値セッティング、及び後述する派生差動フィルタ50bセッティングは、第1の弱減衰フィルタ段から送出された共振周波数の信号成分を、第2のフィルタ段に存在する構成減衰構成要素によって減衰させる観点から実現される。] 図12
[0150] 図12に示すとおり、低域フィルタ50a構成は、大地に対して入力端子IN51に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ50aの第1の第2の段108は、第2の段の抵抗器R51、第2の段のインダクタL51及び第2の段のコンデンサC51の直列接続を備え、この直列接続は、入力端子IN51と接地ノードの間に接続され、フィルタ50aの第1のフィルタ段は、第1の段の抵抗器R52、第1の段のインダクタL52及び第1の段のコンデンサC52の直列接続を備え、この直列接続は、第1の段の入力端子と接地ノードの間に接続され、第2の段のインダクタL51と第2の段のコンデンサC51の間のノードは、第2のフィルタ段108の出力ノードに結合され、この出力ノードは、第1のフィルタ段106の第1の段の入力端子に結合される。低域フィルタ50a構成の第1の段の構成コンデンサC52は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図12
[0151] 理想的には、低域4次フィルタ50aセッティングのロールオフが、第2の遮断周波数後において80dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ50aの出力関数は、下式によって定義され、]
[0152] ]
[0153] フィルタ50aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0154] ]
[0155] 図13は、受動低域4次フィルタを表す差動抽出フィルタ50bの回路図を示す。] 図13
[0156] 図13に示すとおり、低域フィルタ50b構成は、第2の入力端子IN52bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して第1の入力端子IN52aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ50bの第2のフィルタ段108は、第2の段の第1の抵抗器R53a、第2の段の第1のインダクタL53a、第2の段のコンデンサC53、第2の段の第2のインダクタL53b及び第2の段の第2の抵抗器R53bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN52aと第2の入力端子IN52bの間に接続され、フィルタ50bの第1のフィルタ段106は、第1の段の第1の抵抗器R54a、第1の段の第1のインダクタL54a、第1の段のコンデンサC54、第1の段の第2のインダクタL54b及び第1の段の第2の抵抗器R54bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の段の第1の入力端子と第1の段の第2の入力端子の間に接続され、第2の段の第1のインダクタL53aと第2の段のコンデンサC53の間のノードは、第2のフィルタ段108の第1の出力ノードに結合され、第2の段の第2のインダクタL53bと第2の段のコンデンサC53の間のノードは、第2のフィルタ段108の第2の出力ノードに結合され、第1の出力ノードは、第1の段の第1の入力端子に結合され、第2の出力ノードは、第1の段の第2の入力端子に結合される。低域フィルタ50b構成の第1の段の構成コンデンサC54は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図13
[0157] 差動フィルタ50bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ50aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ50aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ50bセッティングのフィルタ特性とを整合させるため、抵抗器R51の抵抗を2で割り、抵抗器R53a及びR53bに割り当て、抵抗器R52の抵抗を2で割り、抵抗器R54a及びR54bに割り当て、さらに、インダクタL51のインダクタンスを2で割り、インダクタL53a及びL53bに割り当て、インダクタL52のインダクタンスを2で割り、インダクタL54a及びL54bに割り当て、コンデンサC53の静電容量は、コンデンサC51の静電容量に等しく、最後に、コンデンサC52の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC54の静電容量に等しい。]
[0158] 単一端フィルタ50aセッティングを使用する場合には、コンデンサC51の静電容量値とコンデンサC52の静電容量値の間の第1の比、及びインダクタL51のインダクタンス値とインダクタL52のインダクタンス値の間の第2の比を達成し、これらの第1及び第2の適切な比、並びに抵抗器R51及びR52の適切な減衰抵抗が、最適減衰特性を達成することが協調される。可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を有する最適な低域フィルタ50aセッティングを得るためには、抽出フィルタ50a構成の抵抗器R52を排除することが望ましい。しかしながら、インダクタL52の実用上の限界のため、小さな抵抗値が残り、抵抗器R52が、インダクタL52の内部DC抵抗を表すことがある。その結果、低域フィルタ50a構成は、最適な低域フィルタ50aセッティングに対する良好な近似となる。したがって、以下の式及び開示する記述では、特に指摘しない限り、結果を危うくすることなく、低域フィルタ50a構成の中に構成された抵抗器R52が無視される。]
[0159] 最適減衰要件を満たすため、抵抗器R51の抵抗値を、インダクタL51、コンデンサC51、及び第1の段RLC回路の減衰をセットするQ51を含む第1の段のRLC回路の特性インピーダンス、並びにインダクタL52及びコンデンサC51、C52を含む第2の段のRLC回路の特性インピーダンスに等しくなるようにセットする。抵抗器R51の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0160] ]
[0161] 上式で、静電容量値Csは、コンデンサC52に直列に接続されたコンデンサC511の相当値を表し、以下のように表現することができる。]
[0162] ]
[0163] 構成コンデンサ値間及び構成インダクタ値間の適切な比は、式E8によって得ることができ、式E8は、単一端フィルタ50aセッティングを達成するために、下式のように書き直すことができる。]
[0164] ]
[0165] 構成コンデンサ値間及び構成インダクタ値間の適切な比を、比係数n及びmで表した場合には、コンデンサC52の静電容量値及びインダクタL52のインダクタンス値を、下式に等しくなるようにセットすることができる。]
[0166] ]
[0167] 及び]
[0168] ]
[0169] 式E33、E36及びE37を式E35に代入すると、下式が得られる。]
[0170] ]
[0171] Q51を、可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を与える1/√2に最適減衰抵抗をセットするとともに、比例数mを1.0にセットして、式E38を、比係数nについて解いた場合、nは、丸められた以下の結果に等しく、]
[0172] ]
[0173] 続いて、式E36及びE37を、以下のように書くことができる。]
[0174] ]
[0175] 及び]
[0176] ]
[0177] 単一端フィルタ50aセッティングの仕様に応じ、異なる比係数m及び異なるQ51をセットすることができ、式E38をもう一度解くことによって、新しい適切な比係数nを得ることができる。したがって、Q51が1/√2以下である条件で、構成コンデンサ値と構成インダクタ値の間の比係数m及びn、並びに適切な減衰抵抗が、前述のとおりにセットされる限り、単一端フィルタ50aセッティングは、適切な動作フィルタに見えることになる。]
[0178] フィルタ50aセッティングの所望のインパルス応答を達成するため、Q51がQ52に等しい条件で、Q51及びQ52を調整することによって、フィルタ50aセッティングの全体のQを調整することができ、抵抗器R52の抵抗値がQ52をセットし、抵抗器R52の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0179] ]
[0180] 単一端フィルタ50aセッティング及び等価の差動フィルタ50bセッティングは、単一端フィルタ40a実施形態及び差動フィルタ40b実施形態に関する単一端フィルタ50a構成と差動フィルタ50b構成の両方において、構成インダクタL52、L54a及びL54bを追加することにより、スイッチング周波数及びその調波の減衰のさらなる増大を達成する安定した抽出フィルタを可能にする方法を提供する。]
[0181] 図14は、好ましい受動低域4次フィルタ実施形態を表す、第1のRLCフィルタ段106及び第2のRLCフィルタ段108からなる単一端抽出フィルタ60aの回路図を示し、第1のRLCフィルタ段106及び第2のRLCフィルタ段108は、図12に示した単一端フィルタ50a構成と同様だが、第1のフィルタ段と第2のフィルタ段の定義が相互に入れ替えられている。単一端フィルタ50aの構成要素値セッティングと同様に、単一端フィルタ60aの構成要素値セッティング、及び後述する派生差動フィルタ60bセッティングは、第1の弱減衰フィルタ段から送出された共振周波数の信号成分を、第2のフィルタ段に存在する構成減衰構成要素によって減衰させる観点から実現される。] 図12 図14
[0182] 図14に示すとおり、低域フィルタ60a構成は、大地に対して入力端子IN61に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ60aの第1のフィルタ段106は、第1の段の抵抗器R61、第1の段のインダクタL61及び第1の段のコンデンサC61の直列接続を備え、この直列接続は、入力端子IN61と接地ノードの間に接続され、フィルタ60aの第2のフィルタ段108は、第2の段の抵抗器R62、第2の段のインダクタL62及び第2の段のコンデンサC62の直列接続を備え、この直列接続は、第2のフィルタ段の入力部と接地ノードの間に接続され、第1の段のインダクタL61と第1の段のコンデンサC61の間のノードは、第1のフィルタ段106の出力ノードに結合され、この出力ノードは、第2のフィルタ段108の入力部に結合される。低域フィルタ60a構成の第2の段の構成コンデンサC62は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図14
[0183] 理想的には、低域4次フィルタ60aセッティングのロールオフが、第2の遮断周波数後において80dB/デカードの減衰を提供する。フィルタ60aの出力関数は、下式によって定義され、]
[0184] ]
[0185] フィルタ60aの伝達関数は、以下のように定義される。]
[0186] ]
[0187] 図15は、受動低域4次フィルタを表す差動抽出フィルタ60bの回路図を示す。] 図15
[0188] 図15に示すとおり、低域フィルタ60b構成は、第2の入力端子IN62bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して第1の入力端子IN62aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、フィルタ60bの第1のフィルタ段106は、第1の段の第1の抵抗器R63a、第1の段の第1のインダクタL63a、第1の段のコンデンサC63、第1の段の第2のインダクタL63b及び第1の段の第2の抵抗器R63bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN62aと第2の入力端子IN62bの間に接続され、フィルタ60bの第2のフィルタ段は、第2の段の第1の抵抗器R64a、第2の段の第1のインダクタL64a、第2の段のコンデンサC64、第2の段の第2のインダクタL64b及び第2の段の第2の抵抗器R64bの直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の第1の端子と第2の段の第2の端子の間に接続され、第1の段の第1のインダクタL63aと第1の段のコンデンサC63の間のノードは、第1のフィルタ段106の第1の出力ノードに結合され、第1の段の第2のインダクタL63bと第1の段のコンデンサC63の間のノードは、第1のフィルタ段106の第2の出力ノードに結合され、第1の出力ノードは、第2の段の第1の入力端子に結合され、第2の出力ノードは、第2の段の第2の端子に結合される。低域フィルタ60b構成の第2の段の構成コンデンサC64は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図15
[0189] 差動フィルタ60bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ60aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ60aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ60bセッティングのフィルタ特性とを整合させるため、抵抗器R61の抵抗を2で割り、抵抗器R63a及びR63bに割り当て、抵抗器R62の抵抗を2で割り、抵抗器R64a及びR64bに割り当て、さらに、インダクタL61のインダクタンスを2で割り、インダクタL63a及びL63bに割り当て、インダクタL62のインダクタンスを2で割り、インダクタL64a及びL64bに割り当て、コンデンサC61の静電容量は、コンデンサC63の静電容量に等しく、最後に、コンデンサC62の静電容量は、指定された容量性負荷を表すコンデンサC64の静電容量に等しい。]
[0190] 単一端フィルタ60aセッティングを使用する場合には、コンデンサC61の静電容量値とコンデンサC62の静電容量値の間の第1の比、及びインダクタL61のインダクタンス値とインダクタL62のインダクタンス値の間の第2の比を達成し、これらの第1及び第2の適切な比、並びに抵抗器R61及びR62の適切な減衰抵抗が、最適減衰特性を達成することが強調される。可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を有する最適な低域フィルタ60aセッティングを得るためには、抽出フィルタ60a構成の抵抗器R61を排除することが望ましい。しかしながら、インダクタL61の実用上の限界のため、小さな抵抗値が残り、抵抗器R61が、インダクタL61の内部DC抵抗を表すことがある。その結果、低域フィルタ60a構成は、最適な低域フィルタ60aセッティングに対する良好な近似となる。したがって、以下の式及び開示する記述では、特に指摘しない限り、結果を危うくすることなく、低域フィルタ60a構成の中に構成された抵抗器R61が無視される。]
[0191] 最適減衰要件を満たすため、抵抗器R62の抵抗値を、インダクタL61及びコンデンサC61を含む第1の段のRLC回路の特性インピーダンス、並びにインダクタL62、コンデンサC61、C62、及び第2の段のRLC回路の減衰をセットするQ62を含む第2の段のRLC回路の特性インピーダンスに等しくなるようにセットする。抵抗器R62の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0192] ]
[0193] 上式で、静電容量値Csは、コンデンサC62に直列に接続されたコンデンサC61の相当値を表し、以下のように表現することができる。]
[0194] ]
[0195] 構成コンデンサ値間及び構成インダクタ値間の適切な比は、式E8によって得ることができ、式E8は、単一端フィルタ60aセッティングを達成するために、下式のように書き直すことができる。]
[0196] ]
[0197] 構成コンデンサ値間及び構成インダクタ値間の適切な比を、比係数m及びnで表した場合には、コンデンサC62の静電容量値及びインダクタL61のインダクタンス値を、下式に等しくなるようにセットすることができる。]
[0198] ]
[0199] 及び]
[0200] ]
[0201] 式E48及びE49を結合し、比係数mを1にセットすると、下式を書くことができる。]
[0202] ]
[0203] 式E45、E48及びE49を式E47に代入すると、下式が得られる。]
[0204] ]
[0205] 上式で]
[0206] ]
[0207] 比係数mを、最適減衰抵抗に関連する1.0にセットし、Q62を、可能な限り広い動作帯域幅及び可能な限りフラットな周波数応答を与える1√2にセットして、式E51をnについて解いた場合、nは、以下の結果に等しい。]
[0208] ]
[0209] 続いて、式E48及びE49を次のように書くことができる。]
[0210] ]
[0211] 及び]
[0212] ]
[0213] 単一端フィルタ60aセッティングの仕様に応じ、異なる比係数m及び異なるQ62をセットすることができ、式E51をもう一度解くことによって、新しい適切な比係数nを得ることができる。したがって、Q62が1/√2以下である条件で、構成コンデンサ値と構成インダクタ値の間の係数m及びn、並びに適切な減衰抵抗が、前述のとおりにセットされる限り、単一端フィルタ60aセッティングは、適切な動作フィルタに見えることになる。]
[0214] フィルタ60aセッティングの所望のインパルス応答を達成するため、Q61がQ62に等しい条件で、Q61及びQ62を調整することによって、フィルタ60aセッティングの全体のQを調整することができ、抵抗器R61の抵抗値がQ61をセットし、抵抗器R61の抵抗値は、下式によって表現することができる。]
[0215] ]
[0216] 単一端フィルタ60a実施形態及び前述の等価の差動フィルタ60b実施形態は、周波数ドメイン及び信号ドメインにおいて非常に良好な結果を示すよく設計され、安定した抽出フィルタに資することができ、さらに、構成減衰抵抗器での消散による低い残留スイッチングエネルギーを達成し、効率的な抽出フィルタを達成する方法を提供する本発明の好ましい抽出フィルタ実施形態を表し、続いて、この好ましい抽出フィルタは、後述するように、追加のフィルタ手段の所望の始点を形成することができる。]
[0217] 一般に、少なくとも第1の低域フィルタ段及び第2の低域フィルタ段を備える本発明に記載の3次以上の抽出フィルタ実施形態に対する適切な減衰要件は、特性共振周波数ω0及び品質係数Q>1/2を有する弱減衰RLC回路を含む第1のフィルタ段から送出された共振周波数にある信号成分を、弱減衰RLC回路の共振周波数にある信号成分を減衰させる少なくとも1つの構成要素を備える第2のフィルタ段によって減衰させる観点から得られ、この場合には、第1のフィルタ段の出力部を、第2のフィルタ段の入力部に結合することができ、その結果、第2の段のコンデンサが、抽出フィルタの出力における容量性負荷となり、第2のフィルタ段の出力部が第1のフィルタ段の入力部に結合されており、抽出フィルタの出力の容量性負荷が、第1の段のコンデンサである抽出フィルタ構成も可能であることに留意されたい。しかしながら、少なくとも第1の低域フィルタ段及び第2の低域フィルタ段を備える、本発明の範囲内で実現された3次以上の代替の抽出フィルタ実施形態では、弱減衰RLC回路の共振周波数にある信号成分を減衰させる少なくとも1つの構成要素を含むように実現された共振周波数ω0及びQ>1/2を有する弱減衰RLC回路を備える結合されていないフィルタ段自体の共振周波数にある信号成分を減衰させることが可能であり、これは、結合されていないフィルタ段が再接続される条件で、中程度の抽出フィルタ特性を有する安定した抽出フィルタを依然として形成する。]
[0218] 図16は、図14に示した低域フィルタ60a構成を包含する低域フィルタを表す単一端抽出フィルタ70aの回路図を示し、第2のフィルタ段108は、この構成ではノッチフィルタとも呼ばれる2次並列共振フィルタを実現する、第2の段のインダクタL72に並列に接続された第2の段の追加のコンデンサC73を含む。] 図14 図16
[0219] 図16に示すとおり、低域フィルタ70a構成は、大地に対して入力端子IN71に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、第1のフィルタ段106は、第1の段の抵抗器R71、第1の段のインダクタL71及び第1の段のコンデンサC71の直列接続を備え、この直列接続は、入力端子IN71と接地ノードの間に接続され、第2のフィルタ段108は、第2の段の抵抗器R72、第2の段のインダクタL72及び第2の段のコンデンサC72の直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の入力端子と接地ノードの間に接続され、第2のフィルタ段108はさらに、第2の段の追加のコンデンサC73と第2の段のインダクタL72の並列接続を備え、第1の段のインダクタL71と第1の段のコンデンサC71の間のノードは、第1のフィルタ段106の出力ノードに接続され、この出力ノードは、第2のフィルタ段108の第2の段の入力端子に結合される。低域フィルタ70a構成の第2の段の構成コンデンサC72は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図16
[0220] 理想的には、低域5次フィルタ70aセッティングのロールオフが、第2の遮断周波数後のノッチ周波数の両側において、60dB/デカードの減衰を提供する。]
[0221] 単一端抽出フィルタ70a構成に示すような並列共振フィルタを含むように拡張された低域フィルタ構成は、固定スイッチング周波数を有するパルス変調信号を使用して実現することができ、インダクタL72とコンデンサC73とからなる並列共振回路の共振周波数を、抽出フィルタ70aセッティングの入力IN71に提示される高電圧パルス変調信号の基本波と整合させることができる。その結果、抽出フィルタ70a構成内に実現されたこの並列共振フィルタは、パルス変調信号の基本波をある程度遮断し、静電型スピーカ要素の容量性負荷C72の両端にかかる残留スイッチング電圧を減衰させる。さらに、残留スイッチング電圧の基本波が並列共振フィルタで遮断されることによって、直列接続された減衰抵抗R72内で消散する残留スイッチングエネルギーが低下し、より高い効率レベルが達成される。この狭帯域並列共振フィルタのノッチにおける減衰は、このセッティングでは抵抗R72と直列に接続されたインピーダンス値、特に、後により詳細に説明するように、それぞれQによって定義される構成インダクタL72及びコンデンサC73の品質特性に起因する。続いて、実際に、並列共振フィルタのノッチにおける減衰を強化するため、特に、高いQを示し、インダクタL72の内部DC抵抗が物理的に可能な限り小さい、コンデンサC73及びインダクタL72を実現する必要がある。実際に、並列共振フィルタのノッチ周波数を、パルス変調信号の基本波と整合させるため、示されていないトリマコンデンサによって、コンデンサC73の静電容量値を、完全に又は部分的に可変とすることができる。]
[0222] 抽出フィルタ70aセッティングは、実用的な方法並びに式E45、E51及びE55を利用して、低域フィルタ60a実施形態で説明した方式で、実現することができる。例えば、抽出フィルタ70aセッティングに対して指定された構成要素は、ともに2/πにセットされたQ51及びQ52、1.0にセットされた比係数m、約65kHzの動作帯域幅、並びにコンデンサC72によって表される400pFの容量性負荷に従って実現することができ、これらによって、以下の計算され、丸められた値が得られる、すなわち、比係数nを1.8218とし、抵抗器R71を938オームにセットし、抵抗器R72を11.2キロオームにセットし、インダクタL71を12.0mHにセットし、インダクタL72を6.6mHにセットし、コンデンサC71を220pFにセットする。固定スイッチング周波数400kHzを有するパルス変調信号が使用され、インダクタL72とコンデンサC73とからなる並列共振回路の共振周波数を、提示されたスイッチング周波数の基本波と整合させることができる場合、スイッチング周波数が、抽出フィルタ70aセッティングの動作帯域幅よりも少なくとも1桁高いという条件で、抽出フィルタ70aセッティングの結果を危うくすることなく、コンデンサC73を計算することができ、コンデンサC73は、以下のように表現することができる。]
[0223] ]
[0224] インダクタL72によって表されるスイッチング周波数400kHz及びインダクタンス値6.6mHに従って、式E56を利用すると、コンデンサC73に対して、丸められた静電容量値24pFが得られる。]
[0225] 上で示した計算した構成要素値に従って実現された抽出フィルタ70aセッティングは、入力端子IN71に供給される固定周波数パルス変調スイッチング信号、及び抽出フィルタの出力部に結合された静電型スピーカ要素の容量性負荷に関する、非常に良好なインパルス応答要件に資する。さらに、抽出フィルタ70aセッティングの位相応答は、有利な一定の群遅延に帰着する、動作帯域幅内の周波数のほぼ完璧な線形関数である。]
[0226] 図17は、図15に示した低域フィルタ60b構成を包含する低域フィルタを表す差動抽出フィルタ70bの回路図を示し、第2のフィルタ段は、前述と同様の2つの2次並列共振フィルタを実現する、第2の段のインダクタL74aに並列に接続された第2の段の追加の第1のコンデンサC76aと、第2の段のインダクタL74bに並列に接続された第2の段の追加の第2のコンデンサC76bとを含む。] 図15 図17
[0227] 図17に示すとおり、低域フィルタ70b構成は、入力端子IN72bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して入力端子IN72aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、第1のフィルタ段106は、第1の段の第1の抵抗器R73a、第1の段の第1のインダクタL73a、第1の段のコンデンサC74、第1の段の第2のインダクタL73b及び第1の段の第2の抵抗器R73bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN72aと第2の入力端子IN72bの間に接続され、第2のフィルタ70b段は、第2の段の第1の抵抗器R74a、第2の段の第1のインダクタL74a、第2の段のコンデンサC75、第2の段の第2のインダクタL74b及び第2の段の第2の抵抗器R74bの直列接続を備え、この直列接続は、第2の段の第1の入力端子と第2の段の第2の入力端子の間に接続され、第2のフィルタ70b段はさらに、第2の段の第1のインダクタL74aに並列に接続された第2の段の追加の第1のコンデンサC76aと、第2の段の第2のインダクタL74bに並列に接続された第2の段の追加の第2のコンデンサC76bとを備え、第1の段の第1のインダクタL73aと第1の段のコンデンサC74の間のノードは、第1のフィルタ段106の第1の出力ノードに結合され、第1の段の第2のインダクタL73bと第1の段のコンデンサC74の間のノードは、第1のフィルタ段106の第2の出力ノードに結合され、第1の出力ノードは、第2の段の第1の入力端子に結合され、第2の出力ノードは、第2の段の第2の入力端子に結合される。低域フィルタ70b構成の第2の段の構成コンデンサC75は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。] 図17
[0228] 差動フィルタ70bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ70aセッティングの等価モデルを表す。抽出フィルタ70bセッティングは、実用的な方法並びに式E45、E51及びE55を利用して、低域フィルタ60a実施形態及び低域フィルタ60b実施形態で説明した方式で、実現することができる。例えば、抽出フィルタ70bセッティングに対して指定された構成要素は、ともに2/πにセットされたQ51及びQ52、1.0にセットされた比係数m、約65kHzの動作帯域幅、並びにコンデンサC75によって表される100pFの容量性負荷に従って実現することができ、これらによって、以下の計算され、丸められた値が得られる。すなわち、比係数nを1.8218とし、抵抗器R73a及びR73bを1.9キロオームにセットし、抵抗器R74a及びR74bを22.4キロオームにセットし、インダクタL73a及びL73bを24mHにセットし、インダクタL74a及びL74bを13.2mHにセットし、コンデンサC74を55pFにセットする。固定スイッチング周波数400kHzを有するパルス変調信号が使用され、抽出フィルタ70b構成内に実現された並列共振回路の共振周波数を、提示されたスイッチング周波数の基本波と、前述の式E56を利用して整合させることができる場合、よく平衡したフィルタ70bセッティングにおいて、コンデンサC76a及びC76bに対して計算され、丸められた静電容量値は12pFである。]
[0229] 本明細書の議論を読んだ当業者には理解されるとおり、抽出フィルタ70aセッティング及び抽出フィルタ70bセッティングに対して提示した構成要素値は、単に例示目的で示したものであり、網羅的であること、又はそれらに限定されることは意図されていない。比係数m及びn、スイッチング周波数、容量性負荷、並びに必要な帯域幅及びインパルス応答の値が異なれば、抽出フィルタの構成要素に対する構成要素値も異なる。さらに、本発明の好ましい実施形態において使用する共振フィルタ技法は、上述の抽出フィルタ70a構成及びフィルタ70b構成内に構成された例示的な並列共振フィルタに限定されず、高電圧パルス変調信号の1又は複数の周波数成分をノッチングするように最適化された、単一端フィルタ構成及び差動抽出フィルタ構成に関連した、1又は複数の並列共振フィルタと直列共振フィルタの組合せなど、他のノッチフィルタ手段を含む。]
[0230] 抽出フィルタ構成内に囲われた実現されたフィルタ次数は、本発明がカバーする抽出フィルタ実施形態中に示された数に限定されず、むしろ、例えば動作帯域幅及び全体の容量性負荷に関連したスイッチング周波数の抑制特性に従って決定されることに留意されたい。]
[0231] 図18は、図14に示した単一端抽出フィルタ60aを包含し、M個の追加の第2のフィルタ80a段を備える低域フィルタを表す単一端抽出フィルタ80aの回路図を示し、M個の追加の第2のフィルタ80a段はそれぞれ、図4に示した低域1次フィルタを与え、メインの第2のフィルタ段108に並列に接続される。Mは、1以上の整数である。第2のフィルタ段108に並列に接続されたこれらの追加の第2のフィルタ段は、静電型スピーカ要素を、電気的にフィルタリングされたM+1個のセグメントにセグメント化することを可能にする方法を提供する。] 図14 図18 図4
[0232] 図18に示すとおり、低域フィルタ80a構成は、大地に対して入力端子IN81に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、第1のフィルタ段106は、第1の段の抵抗器R81、第1の段のインダクタL81及び第1の段のコンデンサC81の直列接続を備え、この直列接続は、この低域フィルタ構成の入力端子IN81と接地ノードの間に接続され、メインの第2のフィルタ80a段は、第2の段の抵抗器R82、第2の段のインダクタL82及び第2の段のコンデンサC82の直列接続を備え、この直列接続は、第2のフィルタ段の入力端子と接地ノードの間に接続される。この低域フィルタ構成はさらに、M個の追加の第2のフィルタ段を備え、これらのM個の追加の第2のフィルタ段はそれぞれ、追加の第2の段の抵抗器R83(A、B、Cなど)と追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)の直列接続を含み、この直列接続は、追加の第2のフィルタ段の入力端子と接地ノードの間に接続され、第1の段のインダクタL81と第1の段のコンデンサC81の間のノードは、第1のフィルタ80a段の出力ノードに結合され、この出力ノードは、メインの第2の段の入力端子及びM個の追加の第2の段の入力端子に結合される。抽出フィルタ80a構成内に実現された第2の段のコンデンサC82及びM個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)は、静電型スピーカ又は要素内に存在する容量性負荷を表す。] 図18
[0233] 理想的には、メインの低域4次フィルタ80aのロールオフが、第2の遮断周波数後において80dB/デカードの減衰を提供し、それぞれのさらに追加された低域3次フィルタのロールオフが、第2の遮断周波数後において60dB/デカードの減衰を提供する。]
[0234] 抽出フィルタ80bセッティングは、実用的な方法並びに式E1、E45、E51及びE55を利用して、単一端抽出フィルタ10a実施形態及び単一端抽出フィルタ60a実施形態で説明した方式で、実現することができる。]
[0235] 第2の段のコンデンサC82及びM個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)は、静電型スピーカ要素内に実現されたM+1個のセグメントの特性静電容量値を表し、コンデンサC82によって表される第1のセグメントは、動作帯域幅全体を有する信号を取得し、M個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)によって表される残りのセグメントは、動作帯域幅の指定された部分を有する信号を取得し、例えばサブロー(sub low)、ロー(low)及びミッドロー(mid low)の音声周波数能力を提供する。動作帯域幅全体を投射するコンデンサC82によって表されるセグメントの特性静電容量は、M個の追加の第2の段の抵抗器R83(A、B、Cなど)及びM個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)を無視した、前述の単一端抽出フィルタ60aセッティングに等しいフィルタ計算の始点を形成することができる。続いて、M個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)によって表されるセグメントの残りの特性容量は、M個の追加の第2の段の抵抗器R83(A、B、Cなど)とともに構成されたM個の追加の第2の段の1次フィルタで使用する容量成分を形成し、それぞれの低域1次フィルタの遮断周波数を、式E1を利用し、図18の回路図が規定するように実現された動作帯域幅の所望の部分に対して調整することができる。] 図18
[0236] 当業者が、静電型スピーカ要素を音響的に適合させることを可能にする、本発明の好ましい実施形態で使用する技法を提供する、静電型スピーカ要素を電気的にセグメント化する方法は、前述のセグメント化手段に関連した例示的なフィルタリング手段に限定されず、例えば、一般に、セグメントのタップ付き遅延線を得るために、所望の信号遅延時間を有するそれぞれの追加のセグメントを駆動する受動遅延回路によって、通常、初期動作帯域幅の下部を、指定された時間、徐々に遅延させることができるアナログ信号遅延手段を含む。したがって、セグメント化された静電型スピーカ要素は、例えば脈動球(pulsating sphere)に似た信号パターンを投射する。]
[0237] 単一端抽出フィルタ80aの回路図を示す図18を顧みた場合、第2の段の受動遅延回路を形成する追加の第2の段の抵抗器R83(A、B、Cなど)とそれぞれの追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)の間に、追加の第2の段のインダクタ(図示せず)を接続することができる。続いて、第2の段のコンデンサC82によって表される第1のセグメントは、最小信号遅延時間を有する初期動作帯域幅を含み、M個の追加の第2の段のコンデンサC83(A、B、Cなど)によって表される残りのセグメントは、タップ付き遅延線を形成する、信号及び周波数ドメインにおいてそれぞれ指定される動作帯域幅のある遅延部分を含む。言うまでもなく、タップ付き遅延線は、セグメントを表す静電容量をそれぞれが含むカスケード接続された複数の受動遅延回路で構成することができる。さらに、指定された信号遅延時間に対して最適化された本発明に基づく抽出フィルタ実施形態を含むタップ付き遅延線は、例えば他の複数の遅延を囲う並列接続された初期抽出フィルタ、及び前述の1又は複数のセグメントを駆動する抽出フィルタ実施形態とともに実現することもできる。] 図18
[0238] 図19は、図15に示した差動抽出フィルタ60bを包含する低域フィルタを表す差動抽出フィルタ80bの回路図を示す。この回路図はさらに、図5に示した低域1次フィルタをそれぞれが構成するM個の追加の第2のフィルタ段を備える。図19ではM=3である。M個の追加の第2のフィルタ段は、メインの第2のフィルタ段108に並列に接続される。これらのM個の追加の第2のフィルタ段は、当業者が、静電型スピーカ要素を、前述の同様に、静電型スピーカの電気的にフィルタリングされたM+1個のセグメントにセグメント化することを可能にする方法を提供する。] 図15 図19 図5
[0239] 図19に示すとおり、低域フィルタ80b構成は、第2の入力端子IN82bに供給される相補高電圧パルス変調信号に対して第1の入力端子IN82aに供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、第1のフィルタ段106は、第1の段の第1の抵抗器R84a、第1の段の第1のインダクタL83a、第1の段のコンデンサC84、第1の段の第2のインダクタL83b及び第1の段の第2の抵抗器R84bの直列接続を備え、この直列接続は、第1の入力端子IN82aと第2の入力端子IN82bの間に接続される。メインの第2のフィルタ段108は、第2の段の第1の抵抗器R85a、第2の段の第1のインダクタL84a、第2の段のコンデンサC85、第2の段の第2のインダクタL84b及び第2の段の第2の抵抗器R85bの直列接続を備え、この直列接続は、メインの第2の段の第1の入力端子とメインの第2の段の第2の入力端子の間に接続される。低域フィルタ80bはさらに、M個の追加の第2のフィルタ段を備え、M個の追加の第2のフィルタ段はそれぞれ、追加の第2の段の第1の抵抗器R86a(A、B、Cなど)、追加の第2の段のコンデンサC86(A、B、Cなど)及び追加の第2の段の第2の抵抗器R86b(A、B、Cなど)の直列接続を備え、この直列接続は、追加の第2の段の第1の入力端子と追加の第2の段の第2の入力端子の間に接続される。第1の段の第1のインダクタL84aと第1の段のコンデンサC84の間のノードは、第1のフィルタ段106の第1の出力ノードに結合され、第1の段の第2のインダクタL84bと第1の段のコンデンサC84の間のノードは、第1のフィルタ段106の第2の出力ノードに結合される。第1の出力ノードは、メインの第2の段の第1の入力端子及びM個の追加の第2の段の第1の入力端子に結合され、第2の出力ノードは、メインの第2の段の第2の入力端子及びM個の追加の第2の段の第2の入力端子に結合される。低域フィルタ80b構成内に実現された第2の段のコンデンサC85及びM個の追加の第2の段のコンデンサC86(A、B、Cなど)は、静電型スピーカ要素内に存在する容量性負荷を表す。] 図19
[0240] 差動フィルタ80bセッティングは、他の形態で実現された、単一端フィルタ80aセッティングの等価モデルを表す。単一端フィルタ80aセッティングのフィルタ特性と差動フィルタ80bセッティングのフィルタ特性とを整合させるため、抽出フィルタ80bセッティングは、実用的な方法並びに式E1、E45、E51及びE55を利用して、フィルタ10a、フィルタ10b、フィルタ60a及びフィルタ60bの実施形態で説明した方式で、実現することができる。]
[0241] 図20は、理想的には、低い遮断周波数の前において20dB/デカードの減衰を示すロールオフを提供する1次高域フィルタと、理想的には、第2の高い遮断周波数後において60dB/デカードの減衰を示すロールオフを提供する3次低域フィルタを構成する等価の低域フィルタ40a構成とを含む帯域フィルタ構成のより実用的な回路を表す、単一端抽出フィルタ90の回路図を示す。] 図20
[0242] 示されているとおり、帯域フィルタ90構成は、大地に対して入力端子IN91に供給される高電圧パルス変調信号を受け取ることができ、第1のフィルタ段106は、第1の段の抵抗器R91(a、b、cなど)、第1の段のインダクタLreal91(a、b、cなど)及び第1の段のコンデンサCreal91の直列接続を備える。この直列接続は、入力端子IN91と接地ノードの間に接続される。第2のフィルタ段108は、第2の段の抵抗器R92(a、b、cなど)、それぞれ抵抗器R93(a、b、cなど)に並列に接続された第2の段のコンデンサC92(a、b、cなど)、及びコンデンサC93に並列に接続された第2の段の抵抗器R94(a、b、cなど)の直列接続を備える。この直列接続は、第2のフィルタ段の入力部と接地ノードの間に接続され、第1の段の最後のインダクタLreal91と第1の段のコンデンサCreal91の間のノードは、第1のフィルタ段106の出力ノードに結合され、この出力ノードは、第2のフィルタ段108の入力部に結合される。帯域フィルタ90構成の構成コンデンサC93は、静電型スピーカ要素の容量性負荷を表す。]
[0243] 本発明に基づいて設計されたより改良型の抽出フィルタを得るためには、最終的な性能に影響を及ぼす適当な特性を有する構成実構成要素を選択することが強調される。実際には、本発明の抽出フィルタの好ましい実施形態において、プリント回路板レイアウト手段、エンクロージャ手段、及び、コネクタ、電気(遮蔽)ケーブル、フィードスルーコンデンサなどの接続手段を、一体の実構成要素として実現することができることに留意されたい。さらに、抽出フィルタ実施形態の目的は、例えば製造、温度、周波数、電流、電圧、及び老化などのさまざまな条件の影響下で、物理的に可能な限り標的インピーダンスから外れない全体インピーダンス公差を示し、最終的なフィルタ性能を維持する実構成要素を実現することである。]
[0244] 一般に、受動実構成要素の印加可能な電圧要件を満たすため、より高い電圧をブリッジしなければならない場合には、印加電圧を、それぞれの実構成要素の両端に印加可能な電圧値に分配し、続いて、直列に置かれた実構成要素が、理想構成要素に対する計算インピーダンス値と同じ全体インピーダンス値を達成する条件で、全損失も実構成要素に分配する、例えば同じインピーダンス値を有する2つ以上の実構成要素を直列に接続することができる。]
[0245] 図20に示すとおり、実抵抗器R91(a、b、cなど)は直列に接続されており、ここでは、構成実抵抗器に対する印加可能な電圧要件及び損失要件を満たすために、単一の抵抗器に対する計算抵抗値を、より低い抵抗値を有する複数の実抵抗器に、同じ全抵抗値を達成するように分配する。] 図20
[0246] 構成実抵抗器R91(a、b、cなど)は、帯域フィルタ90セッティングの全体のQを、前述の所望のインパルス応答を達成するように調整する抵抗性インピーダンス構成要素の役目を果たすことができる。さらに、低い寄生容量、良好なインパルス応答及び低い雑音特性を示す、例えば図20に示された実抵抗器R91aによって表される実抵抗器を実現することが望ましく、ここでは、フィルタ性能に影響を及ぼす寄生インダクタンスはそれほど重要ではない。実現された実抵抗器の全体設計目的によれば、例えば酸化アルミニウム基板を有する、実抵抗器R91(a、b、cなど)を表す厚膜抵抗器を選択することができる。] 図20
[0247] 図20に示すとおり、実インダクタLreal91(a、b、cなど)は直列に接続されており、ここでは、構成実インダクタに対する印加可能な電圧要件及び損失要件を満たすために、単一のインダクタの計算インダクタンス値を、より低いインダクタンス値を有する複数の実インダクタに、同じ全体インダクタンス値を達成するように分配する。さらに、前述のように電圧及び損失を分配することに加えて、実インダクタを直列に接続することによって、実インダクタを流れる電流を達成することもでき、その場合には、実インダクタの有効性を維持するその最大電流定格及び飽和電流以下で実インダクタが十分に動作しなければならず、DC電流が使用される場合には、アナログAC信号電流及び高周波リップル電流に重ね合わされるDC電流を考慮する。] 図20
[0248] 構成実インダクタLreal91(a、b、cなど)は、低域信号フィルタリング用のフィルタ構成要素とともに、電気エネルギー緩衝器の役目を果たし、さらに、実インダクタを流れる電流を平滑化する。効率的なエネルギー緩衝器及び最適な抽出フィルタ設計を達成するためには、高いQを示す実インダクタ、例えば図20に示したLreal91aを実現する必要があり、実インダクタのQは、Lideal91aによって表される理想誘導性リアクタンスと、Rloss91aによって表されるその損失の総和との比と定義され、周波数に依存する。言うまでもなく、例えば心材料の損失と銅線のDC抵抗とからなる実インダクタの全損失抵抗は、物理的に可能な限り損失なしで動作し、それに応じて作用し、実現された実インダクタの有効性及び性能を維持するために、最小限に維持されなければならない。] 図20
[0249] 実インダクタLreal91(a、b、cなど)によって表される使用実インダクタの構造は例えば、非常に低い損失を示す高品質ニッケル−亜鉛(NiZn)粉末心を含む巻線インダクタに基づくことができ、フェライト心の個々の粉末粒子は互いに絶縁され、均等に分布した空隙を与え、エネルギー貯蔵能及び温度安定性が強化され、漏れ磁束が小さく維持される。さらに、インダクタが線形であり続ける条件で、使用実インダクタを、磁気遮蔽された構成要素とすることもできる。]
[0250] 実インダクタの性能に影響を及ぼす他の重要な問題は、その巻線に起因する容量結合である。例えば図20に示したコンデンサCpar91aの寄生容量は、理想インダクタLideal91aと並列共振回路を形成し、導入される自己共振周波数のため、実インダクタLreal91aの適用可能性が限定される。実際には、抽出フィルタ90構成においてノッチフィルタの働きをする寄生並列共振回路が導入されるため、実現された実インダクタLreal91(a、b、cなど)は、歪みを回避するために、自己共振周波数よりも十分に低い周波数で動作しなければならない。続いて、物理的に可能な限り低い寄生容量値を示す好ましい実インダクタの目的は、好ましい実インダクタの導入された自己共振周波数を、適用可能な周波数にシフトさせること、及び抽出フィルタ90構成の入力端子IN91に供給される高電圧ブロック波信号の急速に移動する過渡縁の間の電流スパイクを緩和することである。図20に示すように、実インダクタLreal91(a、b、cなど)は直列に接続されており、ここでは、単一の実インダクタの計算インダクタンス値を、より低いインダクタンス値を有する複数の実インダクタに、同じ全インダクタンスを達成するように分配し、単一の実インダクタの寄生容量も、より低い静電容量値を有する複数の寄生コンデンサCpar91(a、b、cなど)に分配し、さらに、直列接続によって、抽出フィルタ性能を強化する、使用される全理想インダクタンス値にわたって非常に低い全寄生容量を達成する。] 図20
[0251] 例えば実インダクタの寄生容量に関連した追加の寄生要素のために共振現象が起こる場合には、高損失用にトリミングされ、EMIの伝導又は放射を最小限に抑えるために実現された実インダクタに直列に接続された1又は複数のEMI抑制フェライトビーズによって、この高周波共振効果を緩和することができる。言うまでもなく、図20に示した実現された実抵抗器R91(a、b、cなど)は、EMIを十分に減衰させることができ、さらに、抵抗器R91(a、b、cなど)に対して指定された計算全抵抗を小さくすることによって、構成実インダクタLreal91(a、b、cなど)の内部DC抵抗を補償することができ、実インダクタLreal91(a、b、cなど)に対して指定された存在する全内部DC抵抗は抽出フィルタ性能を維持する。] 図20
[0252] 構成実コンデンサCreal91は、低域信号フィルタリング用のフィルタ構成要素とともに、実インダクタLreal91(a、b、cなど)に由来する平滑化された電流を平均し、したがって、入力端子IN91に供給され、実コンデンサCreal91の両端間に、DCオフセット電圧(使用される場合)、アナログAC信号電圧及び残留スイッチング電圧が重ね合わされた使用高電圧パルス変調信号を抽出する、受動積分器の役目を果たす。]
[0253] 適切な高周波特性を達成するためには、低い等価直列インダクタンス(ESL)Lpar94及び低い等価直列抵抗(ESR)Rloss94を示す、図20に示した実コンデンサCreal91を実現する必要がある。言うまでもなく、例えば誘電材料の損失及びリード線抵抗からなる実コンデンサの低いESRは、高いQを提供する。一般に、ESLは、実コンデンサの静電容量と直列共振回路を形成し、導入される自己共振周波数のため、実コンデンサの適用可能性が限定される。実際には、実コンデンサCreal91の導入される自己共振周波数は、実インダクタLreal91(a、b、cなど)の自己共振周波数よりもはるかに高く、構成実コンデンサの寄生直列共振回路は、抽出フィルタ90構成においてノッチフィルタの働きもする。高周波特性を強化するため、図20に示した実コンデンサCreal91を例えば、2本の出力リード線(図示せず)から分離した2本の入力リード線を備える単一の実コンデンサとして使用することができ、共通寄生インダクタンスLpar91及び共通損失抵抗Rloss91を、物理的に可能な限り小さい共通寄生インピーダンス値まで低くすることができる。] 図20
[0254] 直列に接続された実コンデンサに対する印加可能な電圧要件及び損失要件を満たすために、単一のコンデンサに対する計算静電容量値を、より高い静電容量値を有する複数の実コンデンサに、同じ全静電容量値を達成するように分配する直列に接続された2つ以上の実コンデンサを、図20に示した単一の実コンデンサCreal91の代わりに使用すると、寄生インダクタンスが増大し、それにより高周波特性が劣化する可能性があることに留意されたい。さらに、直列に接続された複数の実コンデンサにかかる電圧を平衡させるために必要な抵抗器ネットワークは、望ましくないRC高域遮断周波数を導入する。そのため、図20に示した単一の実コンデンサCreal91だけが好ましく、必要ならば明細書上に実施される。] 図20
[0255] 図20に示した単一の実コンデンサCreal91の代わりに、単一のコンデンサに対する計算静電容量値を、より低い静電容量値を有する複数の実コンデンサに、同じ全静電容量値を達成するように分配する2つの実コンデンサを並列に接続する場合には、並列に接続された実コンデンサのうちの一方の実コンデンサが例えば、遮蔽された2つの区画間の分離を維持するフィードスルーコンデンサを表すことができ、ここでは、追加のEMI抑制を達成するために、例えばπフィルタを形成するフェライトビーズによって、並列に接続されたコンデンサ間の信号経路を遮断することができる。] 図20
[0256] 例えば、図20に示したCreal91によって表される、ほぼ完璧な実コンデンサを示すクラスIセラミックコンデンサを使用する場合には、他のフィルタ構成要素の温度ドリフトを補償し、特性フィルタ特性を維持するために、所定の温度ドリフトを追加することができる。] 図20
[0257] アナログ大地基準(AGND)から完全に分離された高電圧スイッチング配置の大地基準(DGND)は、単一の接続ポイント、好ましくは図20に示した実コンデンサCreal91の大地基準接続で結合されることを強調しておく。] 図20
[0258] 図20に示すとおり、実抵抗器R92(a、b、cなど)は直列に接続されており、ここでは、構成実抵抗器に対する印加可能な電圧要件及び損失要件を満たすために、単一の抵抗器に対する計算抵抗値を、より低い抵抗値を有する複数の実抵抗器に、同じ全抵抗値を達成するように分配する。] 図20
[0259] 直列に接続された実インダクタLreal91(a、b、cなど)並びに前述の実コンデンサCreal91及びC93によって構成された共振回路の残留スイッチング周波数及び共振周波数を減衰させて、安定した抽出フィルタを提供するため、構成実抵抗器R92(a、b、cなど)は、所望の動作帯域幅にわたって、一定の高抵抗性インピーダンス構成要素の働きをする。]
[0260] 実抵抗器R91(a、b、cなど)と同様に、低い寄生容量、良好なインパルス応答及び低い雑音特性を示す図20に示された実抵抗器R92(a、b、cなど)を実現することが望ましく、フィルタ性能に影響を及ぼす寄生インダクタンスはそれほど重要ではない。実現された実抵抗器の全体設計目的によれば、例えば酸化アルミニウム基板を有する、実抵抗器R92(a、b、cなど)を表す厚膜抵抗器を選択することができる。] 図20
[0261] コンデンサC93によって表される容量性負荷を2倍にし、フィルタ構成要素も、特性フィルタ特性を維持するように適合させた場合には、容量性負荷に存在する電荷と等しい量の電荷を生成するために、入力端子IN91に供給され、容量性負荷の両端間にアナログ高電圧信号振幅を与えるパルス変調高電圧信号を半分にすることができ、その結果、実抵抗器R91(a、b、cなど)及びR92(a、b、cなど)に生じる損失が半分になることに留意されたい。]
[0262] 図20に示すように、実コンデンサC92(a、b、cなど)は直列に接続されており、ここでは、構成実コンデンサに対して印加可能な電圧要件を満たすために、単一のコンデンサに対する計算静電容量値を、より高い静電容量値を有する複数の実コンデンサに、同じ全静電容量値を達成するように分配する。] 図20
[0263] 構成実コンデンサC92(a、b、cなど)は、使用される場合に、大地基準に対して入力端子IN91に供給される高電圧パルス変調信号のDCオフセット電圧成分を減結合して、図20に示したC93によって表される実容量性負荷の両端間に重ね合わされるアナログAC信号電圧及び残留スイッチング電圧を与えるDCブロッキングコンデンサの役目を果たす。] 図20
[0264] 図20に示すように、比較的に高い静電容量値を有する実コンデンサC92(a、b、cなど)の両端のDC電圧を平衡させるために、非常に高い抵抗値を有する実抵抗器R93(a、b、cなど)からなる抵抗ネットワークが実現され、結果として生じるRC高域遮断周波数は、コンデンサC93によって表される実容量性負荷の両端間に重ね合わされる大地基準アナログAC信号電圧及び残留スイッチング電圧を提供する実コンデンサC92(a、b、cなど)と高い抵抗値を有する実抵抗器R94(a、b、cなど)とによって構成されるRC高域遮断周波数に比べて少なくとも1桁低い。] 図20
[0265] 図20に示されているようにDCブロッキングコンデンサとして使用される構成実コンデンサ、例えばC92aは、その機能に従って、このフィルタセッティングにおいて比較的に高い静電容量値を示し、したがって低い高周波特性を有することに留意されたい。それにもかかわらず、代替抽出フィルタ実施形態では、適切な動作フィルタ設計を達成するため、直列に接続された1又は複数のDCブロッキング実コンデンサを、抽出フィルタの入力部、したがって高電圧スイッチング出力段の直接出力部にも置くことができる。] 図20
[0266] 一般に、実コンデンサC92(a、b、cなど)及び実抵抗器R94(a、b、cなど)によって構成されるRC高域遮断周波数は、例えばクロスオーバフィルタ整合サブウーファ特性を提供し、静電型スピーカ要素に存在する振動板の共振周波数を軽減することができる。実DCブロッキングコンデンサC92(a、b、cなど)を表すDCブロッキング実コンデンサの全体設計目標によれば、低い誘電体損失を示す金属被覆ポリプロピレンフィルムコンデンサを選択することができる。]
[0267] 2つ以上の実負荷コンデンサを直列及び並列に接続して、図20に示した実コンデンサC93によって表される全実容量性負荷値を達成することができ、構成コンデンサ値とインダクタ値の間の適切な比及び適切な減衰抵抗が、前述の抽出フィルタセッティング内にセットされる限りにおいて、フィルタ性能に影響を及ぼす囲われた寄生インダクタンス及び抵抗はそれほど重要ではないことに留意されたい。言うまでもなく、結果として生じる全実容量性負荷値は、所望の動作帯域幅にわたってインピーダンス値を支配する容量性リアクタンス成分と定義することができ、容量性リアクタンス成分は、誘導性リアクタンス成分及び抵抗成分に比べて少なくとも1桁高い値を有する。] 図20
[0268] 図20に示した帯域抽出フィルタ90セッティングの入力インピーダンスを考えると、高電圧電源に関連した高電圧スイッチング出力段によって入力インピーダンスを駆動するのに必要な処理される皮相電力は、AC動作電力帯域幅が、AC動作信号帯域幅内の例えば20Hzから22kHzの定義された部分である条件で、実電力成分とも呼ばれる有効電力成分よりも優勢な無効電力成分からなることができる。続いて、入力端子IN91に提示される高電圧パルス変調信号によって交流電流が供給され、エネルギー貯蔵要素の働きをする図20に示した構成インダクタ構成要素及びコンデンサ構成要素は、エネルギー流の方向を定期的に逆転させ、ACアナログ信号波形の半サイクルにわたって送達されるエネルギーの所定の部分は、もう一方の半サイクルの間に、皮相電力の無効電力成分を示す高電圧スイッチング出力段の調整された介入によって、高電圧電源へ再び伝送される。他方、皮相電力の有効電力成分は主に、図20に示した減衰抵抗器R91(a、b、cなど)及びR92(a、b、cなど)内の電気エネルギー損失並びに前述の寄生損失成分によって生じる。高電圧電源は、皮相電力の有効電力成分を供給するだけでよく、無効電力成分のエネルギーは再生されることに留意されたい。したがって、非常に軽減された電源は、例えばアナログ高電圧増幅器設計法に関して、より複雑でない非常に安定な高圧電源を提供する。] 図20
[0269] 高電圧出力段は、基本波及びその調波において大量のスペクトルエネルギーを含む高電圧ブロック波信号を生成し、これは、EMIの高電界成分、したがって容量結合に対する感受性を与える。容量結合効果、したがって構成要素とその周囲との間のEMIを小さくするため、抽出フィルタ構成の構成要素群の部分及び高電圧スイッチング配置の部分にそれぞれ存在する、例えばスタック形態にカスケードされた銀被膜銅又はアルミニウムなどの高導電率金属のさまざまな区画を形成する遮蔽を実現することができ、その中では、抽出フィルタ性能及び適用可能な規制の順守を保証するために、分離が維持され、EMIが所定の経路に沿って導かれる。]
[0270] 開示する最後の例示的実施形態では、音声投射配置が、一体型の高電圧スイッチング増幅器によってそれぞれが能動的に駆動される2つの静電型スピーカからなる。続いて、一体型のそれぞれの高電圧スイッチング増幅器には、中央ベースユニット、より具体的には前置増幅器から送出され、例えば電線、光ファイバ又は無線によって分配されたアナログ及びディジタル音声フォーマット信号を、追加の制御信号とともに、入力として供給することができる。この中央前置増幅器は、例えばアナログ−ディジタル変換器、ディジタル−アナログ変換器などのさまざまな機能ブロックを備えることができ、さらに、例えば音量及び音質調節能力、さらにはマルチチャネル能力を含むホームシネマオペレーティングモード用のさまざまな音声設定を提供する1又は複数の囲われたアナログ及びディジタル処理ユニットを備えることができる。この中央前置増幅器はさらに、それぞれの一体型サブユニット、より具体的には各静電型スピーカ内に一体化された高電圧スイッチング増幅器に電線によって電力を供給する単一の電源構成要素も備えることができる。言うまでもなく、高電圧スイッチング増幅器自体も、前述の前置増幅器に対して定義したさまざまな機能ブロックを備えることができる。]
[0271] 静電型スピーカ要素に存在する容量性負荷を、追加の機能を有する高電圧スイッチングパワー増幅器によって駆動する能力に関して、本発明を説明したが、上で開示した高電圧スイッチングトポロジ及び抽出フィルタを利用して容量性負荷を駆動することができる同様の実施形態も適当である。囲われた例示的な実施形態に関して本発明に示された方法、回路、式及び構成要素は、例示及び説明のためだけに本明細書に提示したものであり、開示した正確な形態が、網羅的であること、又はそれらに限定されることは意図されていないことに留意されたい。指定された機能に対する発明は、ハードウェア及びソフトウェアによって実現することができ、本発明に開示された1又は複数の等価のアイテム内において、ハードウェア手段とソフトウェア手段が相互関係を有していてもよいことを強調しておく。続いて、本発明の趣旨及び範囲は、新規の特徴自体に属するだけでなく、その全ての構造の特定の組合せ、並びに指定された機能に対するその全ての相互関係にも属することは当業者には明白である。]
[0272] 記載した実施形態は、本発明の原理及び本発明の実用的用途を最もよく説明し、それによって、当業者が、さまざまな実施形態で、及び企図される特定の使用に適したさまざまな変更を加えて、本発明を最もよく利用することを可能にするものを選択した。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが意図されている。]
权利要求:

請求項1
高電圧スイッチングパワー増幅器(100)と、前記高電圧スイッチング増幅器の出力部に結合された入力部を有する抽出フィルタ(102)と、容量性負荷(C42)と、前記抽出フィルタ(102)の出力部に結合された入力部とを有する静電型スピーカ要素(104)とを備え、前記抽出フィルタと前記容量性負荷の組合せが、少なくとも第1のフィルタ段(106)と第2のフィルタ段(108)とを有するフィルタ回路(102、104)を形成し、前記第1のフィルタ段が、共振周波数ω0及び品質係数Q>1/2を有するRLC回路を備え、前記第2のフィルタ段が、前記RLC回路の共振周波数の信号成分を、前記抽出フィルタ(102)の出力部で減衰させる少なくとも1つの電気要素を有する低域フィルタである静電型スピーカシステム。
請求項2
抽出フィルタが、単一端低域N次フィルタであり、Nが、3以上の整数である、請求項1に記載の静電型スピーカシステム。
請求項3
第1のフィルタ段が、第1の段のインダクタと第1の段のコンデンサの直列接続を含み、前記直列接続が、第1のフィルタ段の入力部と接地ノードの間に接続されており、第2のフィルタ段が、第2のフィルタ段の入力部と接地ノードの間に接続された、第2の段の抵抗器と第2の段のコンデンサの直列接続を含む、請求項1又は2に記載の静電型スピーカシステム。
請求項4
第2の段の抵抗器と第2の段のコンデンサの間のノードが、第2のフィルタ段の出力部に結合されており、第2のフィルタ段の出力部が、第1のフィルタ段の入力部に結合されており、容量性負荷が第1の段のコンデンサである、請求項3に記載の静電型スピーカシステム。
請求項5
第1のフィルタ段のインダクタと第1の段のコンデンサの間のノードが、第1のフィルタ段の出力部に結合されており、第1の段の出力部が、第2のフィルタ段の入力部に結合されており、容量性負荷が、第2の段のコンデンサである、請求項3に記載の静電型スピーカシステム。
請求項6
第2の段の抵抗器の抵抗値が、下式によって近似され、上式で、R42=第2の段の抵抗器の抵抗器値、C41=第1の段のコンデンサの静電容量値、L41=第1の段のインダクタのインダクタンス値であり、第1の段のコンデンサの静電容量値が、下式によって近似され、上式で、C41=第1の段のコンデンサの静電容量値、C42=第2の段のコンデンサの静電容量値である、請求項5に記載の静電型スピーカシステム。
請求項7
第2のフィルタ段が、第2の段の抵抗器と第2の段のコンデンサの間に接続された第2の段のインダクタを含む、請求項5に記載の静電型スピーカシステム。
請求項8
第2の段の抵抗器の抵抗値が、下式によって定義され、上式で、及びQ62=第2のフィルタ段の減衰を設定する品質係数であり、第1の段の静電容量の静電容量値と第2の段の静電容量の静電容量値の比、及び、第1の段のインダクタのインダクタンス値と第2の段のインダクタのインダクタンス値の比が、下式によって定義され、及び上式で、nとmの関係が下式によって定義され、上式で、であり、上式で、C61=第1の段のコンデンサの静電容量値、C62=第2の段のコンデンサの静電容量値、L61=第1の段のインダクタのインダクタンス値、L62=第2の段インダクタのインダクタンス値、n及びm>0、並びにQ62>1/2である、請求項7に記載の静電型スピーカシステム。
請求項9
第2のフィルタ段が、第2の段のインダクタに並列に接続された追加の第2の段のコンデンサを含む、請求項7に記載の静電型スピーカシステム。
請求項10
第2のフィルタ段に並列に接続されたM個の追加の第2のフィルタ段を備え、前記M個の追加の第2のフィルタ段がそれぞれ、追加の第2の段の抵抗器と追加の静電型スピーカ要素の直列接続を含み、Mが、1以上の整数である、請求項1に記載の静電型スピーカシステム。
請求項11
抽出フィルタが差動低域N次フィルタであり、Nが、3以上の整数であり、静電型スピーカ要素が、差動的に駆動される要素である、請求項1に記載の静電型スピーカシステム。
請求項12
第1のフィルタ段が、第1の段の第1のインダクタ(L32a、L73a)、第1の段のコンデンサ(C35、C74)及び第1の段の第2のインダクタ(L32a、L73b)の直列接続を備え、該直列接続が、第1のフィルタ段の第1の端子(IN72a)と第1のフィルタ段の第2の端子(IN72b)の間に接続されており、第2のフィルタ段が、第2の段の第1の抵抗器(R33a、R74a)、第2の段のコンデンサ(C33、C75)及び第2の段の第2の抵抗器(R33b、R74b)の直列接続を備え、該直列接続が、第2のフィルタ段の第1の端子(IN32a)と第2のフィルタ段の第2の端子(IN32b)の間に接続されており、静電型スピーカ要素が、第1の段のコンデンサ(C35)又は第2の段のコンデンサ(C75)である、請求項11に記載の静電型スピーカシステム。
請求項13
第2の段の第1の抵抗器(R33a)と第2の段のコンデンサ(C33)の間のノードが、第2のフィルタ段の第1の出力ノードに結合されており、第2の段の第2の抵抗器(R33b)と第2の段のコンデンサ(C33)の間のノードが、第2のフィルタ段の第2の出力ノードに結合されており、第1の出力ノードが、第1のフィルタ段の第1の端子に結合されており、第2の出力ノードが、第1のフィルタ段の第2の端子に結合されており、容量性負荷が第1の段のコンデンサ(C35)である、請求項12に記載の静電型スピーカシステム。
請求項14
第1の段の第1のインダクタ(L73a)と第1の段のコンデンサ(C74)の間のノードが、第1のフィルタ段の第1の出力ノードに結合されており、第1の段の第2のインダクタ(L73b)と第1の段のコンデンサ(C74)の間のノードが、第1のフィルタ段の第2の出力ノードに結合されており、第1の出力ノードが、第2のフィルタ段の第1の端子に結合されており、第2の出力ノードが、第2のフィルタ段の第2の端子に結合されており、容量性負荷が第2の段のコンデンサ(C75)である、請求項12に記載の静電型スピーカシステム。
請求項15
第2のフィルタ段の直列接続が、第2の段の第1のインダクタ(L74a)及び第2の段の第1のコンデンサ(C76a)の並列接続と、第2の段の第2のインダクタ(L74b)及び第2の段の第2のコンデンサ(C76a)の並列接続とを含む、請求項14に記載の静電型スピーカシステム。
請求項16
第2のフィルタ段の直列接続が、第2の段の第1のインダクタ(L84a)及び第2の段の第2のインダクタ(L84b)を含み、静電型スピーカシステムがさらに、第2のフィルタ段に並列に接続されたM個の追加の第2のフィルタ段を備え、該M個の追加の第2のフィルタ段がそれぞれ、追加の第2の段の第1の抵抗器(R86aA)、追加の静電型スピーカ要素(C86A)及び追加の第2の段の第2の抵抗器(R86bA)の直列接続を含み、Mが、1以上の整数である、請求項15に記載の静電型スピーカシステム。
請求項17
静電型スピーカシステムで使用される、請求項1〜16のいずれかに記載の抽出フィルタ。
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